健康教室 過食とエネルギー過剰 |
健康(維持)という摩訶(まか)不思議な言葉
現代は健康ブームです。何々を食べたら良い(食べてはいけない)、運動することは不可欠など、様々な健康維持に対する考え方があります。
しかし、健康のために「・・・」をするという考え方は、非常に不自然であり、矛盾した考え方ではないでしょうか。
人間(動物)は、本来、健康であるようにつくられており、体のバランスが壊れたときでも、それを元に戻す力(機能)が備わっています。それなのに、何故健康を求めて不自然な努力をするのでしょう。
確かに、深刻な病気で悩んでいる人はいます(私自身、その一人でした)。
体に異変があると、体はそれを私達に警告してくれます。痛みなどは、極めて露骨な警告の例です。
しかし、体の感度が鈍っていると、その警告に気づかず、体に異変が生じる状態を継続させます。
その結果、簡単に快復できない異常を体に生じさせてしまいます。これが深刻な病気の本質(実態)です。
要するに、私達は、本来は防げる事態を不注意(無知を含む)で自ら招いているのです。
重要なことは、健康食や健康法などより、体の感受性を高めておくことです。そうすれば、体に異常が生じても、それに気づいて直ぐに快復させられます。
実際の処、体の感受性に対する最大の天敵はお医者さんなのです。
例えば、下痢をすると医者から下痢止めの薬をもらい、下痢を治す人がいます。しかし、下痢は体の掃除です。従って、無理に下痢を止めれば、体内に毒素が溜まります。
また、発熱すれば医者に解熱剤をもらって熱を下げる人がいます。しかし、発熱は体の(殺菌)消毒です。従って、無理に熱を下げれば、体内でくすぶり続く可能性があり、また汗による毒素の排泄も不完全になります。
このような行為は、体の感受性を下げて、鈍い体にしてしまいます。
同様に、たくさん食べることも体を鈍くさせる要因です。また、たくさん食べ続けると満腹中枢がマヒして、お腹一杯という感覚が無くなるので、食べ過ぎてしまいます。
このたくさん食べる(栄養素をたくさん摂る)ことを支持(主張)しているのが、お医者さんであり、栄養士の皆さんです。
これらの行為は、(これだけではありませんが)すべて体を鈍くします。
従いまして、医者に頼れば頼るほど病気に近くなると言わざるを得ないのです。
(拙著「なぜ医者の治療を受けると早死にするのか」の内容の背景にはこのようなことも含まれています。)
体の感受性を保つ有効な方法が少食です。
前置きが長くなりましたが、今回は前回の続きで、多食が病気を招くことをエネルギーの視点から説明します。
エネルギーバランスの重要性
三大栄素養であるタンパク質、脂肪、糖質(炭水化物)の役割は、大きく分けて2つあります。
一つは、体の構成物質をつくる材料、
もう一つは、エネルギー産生です。(どちらも必要な量だけつくることが肝要です。)
但し、糖質には体の材料としての役割はありません。
ところが、西洋医学は、エネルギー過剰産生の問題点を軽視しがちです。はっきり言えば無視しています。
私達は、基本的に食べ過ぎです。だから太るのです。
しかし、食べ過ぎは、エネルギー源である脂肪の産生だけでなく、エネルギーの過剰産生を招きます。
そして、このエネルギー過剰が、現代社会で多くの病気を招く原因になっています。
エネルギー保存則
自然界の動物は、生きるために体を使います。自然界では、動物は、体を必要に応じて動かすことが生きていくための絶対条件です。そのために必要な量だけ捕食します。
これに対して、現代人はどうでしょう。
現代の私達は、自動車などの乗り物を使って、余り歩かなくなりました。
また、肉体を使う仕事が少なくなり、椅子に座ったままの仕事が多くなっています。
ところが、私達の食事量は減ったわけではありません。むしろ増えている状態です。
その結果、現代人は、産生したエネルギーを体(筋肉)で充分消費出来ずに、余ったエネルギーを脳で消費せざるを得なくなっているのです。
しかし、産生したエネルギーを主に体(筋肉)で使うか大脳で使うかの違いはあっても、エネルギー保存則は満たされなければなりません。
つまり、
自然界の動物 = 産生したエネルギーを主に体で消費
現代人 = 産生したエネルギーを主に脳で消費
過剰エネルギーは体を破壊する
問題は、過剰なエネルギーを大脳で消費する仕方にあります。
大脳による一番効率的なエネルギー消費方法は、感情を爆発させることです。
この場合、周りの人々に被害を与えますが、本人はエネルギーも放出してすっきり出来ます。
しかし、貯まったエネルギーを一気に、あるいは小出しに放出できない人は、エネルギーを貯め込み、感情を鬱積(うっせき)させていきます。
要するに、ストレスを貯め込みます。
この過剰エネルギーは逐次(ちくじ)放出できなければ、よどんだ感情が蓄積されていきます。そして時間が経つと、体に影響が出てきます。それが背骨の直ぐ左側に現れる感情線という異常です。
この感情線の位置によって、対応する内臓の異常が分かります。
感情線は、背骨を通っている交感神経の神経根付近の異常と考えられます。
多いのは胃や腎臓などの異常ですが、感情線の異常が現れている時点で、対応する臓器にある程度の(慢性炎症による)損傷があります。
従いまして、少食は、ストレスの蓄積を抑制して、慢性炎症の発生と継続を抑制する効果があります。これは、西洋医学や栄養学を無批判に受け入れている人達には想像できないことだろうと思いますが、とても大事なことです。
極端な話、貧困国で飢えに苦しんでいる人々は、飢え以外の事柄で余り悩む精神的ゆとり(エネルギー)はないはずです。