冷えの種類

 

健康教室 冷えによる病気 2

2011年09月26日
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3.老廃物・不要物の排出

  血液循環の停滞(冷え)は、(栄養物も含めて)老廃物・不要物を溜め込むことになります。その結果、その部分の血液は、淀み、汚れ、濁(にご)ってきます。そのため、身体は、この汚れを浄化しようとして様々な反応をします。

炎症
  細菌やウイルスを繁殖させることによって炎症を起こし、老廃物を燃焼させます。
  炎症は、ウィルスなどの外的なものと、細胞の破壊・損傷によるものがあります。
  <注>
   炎症は、生体が傷害を受けたときに起こす反応です。要するに,細胞などが傷害されたときに、
   これを再生するための反応で、発赤(赤くなる)、発熱、痛み、腫れを示します。
      炎症 ⇒ 発赤、発熱、痛み、腫れ、(動かせない)

発疹・吹きで物
  血液循環の停滞(冷え)を起こしている血管が体表に近い場合、皮膚から老廃物を排出します。

出血
  直接的な手段として、血液とともに排出します。

動脈硬化
  老廃物を血管内壁に吸着させて、血液を浄化します。老廃物として、コレステロールなどの脂肪が動脈の内膜にたまる場合と動脈の中膜にカルシウムがたまって、硬く、脆(もろ)くなる場合などがあります。

胆石
  老廃物を胆石として析出し、血液を浄化します。老廃物として、脂肪の固まり、ビリルビンカルシウムの固まり、炭酸カルシウムの固まりなどの場合があります。

結石
  老廃物を結石として析出し、血液を浄化します。この場合の老廃物は、尿中のカルシウムやアミノ酸などです。

血栓
  血栓も老廃物を塊の形で集め、血液を浄化しようとする作用と考えられます。
  血栓は、止血作用とも関連があり、大きな血小板やアテローム(コレステロールや中性脂肪、カルシウムや動脈血管内での蓄積物)を老廃物として血流から排除します。

小病を患うことによって、大病を防ぐ

  老廃物・不要物の排出に関する症状は、冷えのために生じた血液の汚れを解消するための身体の反応ですが、起こる順番を考えてみますと、恐らく症状の軽い順番(身体の負担が少ない順番)に起こる場合が多いことが予想されます。言い換えますと、淀み(汚れ)が少ない間は軽症ですが、それによって改善されない場合、淀みが酷くなるほど(時間が経つほど)重症になります。これが、「身体は小病を患うことによって、大病を防ぐ」という意味です。

  以下、下に行くほど(番号が大きいほど)重傷になる傾向があります。ただ、病気によって大きく異なります。出血でも、脳出血のように深刻なものもあれば、炎症でも、化膿や風邪のように軽いものがあります。

 1.汗腺・皮脂腺からの排泄 (健康)
   水溶性の老廃物を汗として汗腺から排出します。
   脂肪などの油溶性の老廃物は皮脂腺から排出されます。
   (なお、皮脂腺はすべての毛穴に存在し、ここから分泌される皮脂が肌に潤いを与えます。)
 2.肌の乱れ           (小病)
   汗腺・皮脂腺からの排泄で不十分な場合、肌荒れ、発疹などの形で排泄します。
 3.出血              (小病・中病・大病
   あるいは、鼻血、痔などの形で排泄します。生理も同様です。
 4.炎症              (小病・大病)
   細菌やウイルスの力を借りて炎症を起こし、老廃物を燃焼させて排除します。
 5.血液から分離析出     (小病・大病)
   あるいは、老廃物を塊として、血液から分離することによって排泄します。

老廃物・不要物の滞りによる病気

皮膚排泄

  発疹・湿疹・吹きで物・じんま疹など

出血
  冷え(血流停滞)によって、その部分の血圧が上がり、出血しやすくなります。
  以下は一つの例ですが、炎症も出血の例になります。
  皮下出血
    打ち身による出血です。
  鼻出血
    発熱、睡眠不足、感染、うちみ、鼻炎などで出血します。
  血尿(腎出血)
    血尿は、細菌による炎症など様々な場合があります。
  口内・歯肉出血
    扁桃腺炎(へんとうせんえん)などの炎症で起こります
  脳出血
    血圧が上がり、動脈硬化などを起こしていると血管が破れやすくなり、脳出血を起こしやすくなります。
    以前は、脳溢血(のういっけつ)といわれていました。
  喀血(かっけつ)
    肺からの出血を口から吐きます。
  吐血(とけつ)
    吐血は、食道、胃、十二指腸などの上部消化管からの出血を口から吐きます。
    胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍、食道静脈瘤、出血性胃炎、胃ガンなどが原因です。
  下血(げけつ)
    下血は、上部消化管や小腸・大腸など消化管全体の出血を便とともに排出します。
    痔、炎症性クローン病、潰瘍性大腸炎、感染、ポリープやガンなどが原因です。

炎症
  炎症は、冷えによって(血液液循環が悪くなっているために)、細菌やウイルスが繁殖した結果です。
  風邪は、鼻腔(びくう)や咽頭(いんとう)などの炎症性の病気ですから、炎症の中でも軽症です。風邪を引いて、炎症を起こすことにより、冷え(歪み)を解消して、大事に至るのを防ぎます。
  風邪、化膿、肺炎、気管支炎、胆嚢炎(たんのうえん)、膀胱炎(ぼうこうえん)など

血液から分離析出
  血液を浄化する方法として、汚れた部分を塊として血液から分離する方法があります。これも、冷えに対する身体の健全化反応です。
  動脈硬化、胆石症(胆嚢結石、胆管結石)、尿路結石症(腎結石,尿管結石,膀胱結石など)、血栓など

4.血液流出の防止(止血作用)

  止血作用は血小板の役割ですが、冷え(血液液循環の悪化)によって起こる反応として考えられるのは、血液からの分離析出です。ただ、血小板が関係している現象である必要がありますが、そうなると血栓しか思い浮かびません(他にもあるかもしれませんが、私には分かりません。)
  血栓
  心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳梗塞(のうこうそく):血栓が原因で起こる病気です

5.細菌、ウイルス、ガン細胞などの異物の攻撃・撲滅

  冷え(血液液循環の悪化)がもたらす最も分かり易い現象は、細菌などとの戦いです。従って、炎症を起こします。
 膠原病(こうげんびょう)も炎症です。膠原病は細胞間を結びつけている結合組織の一つである膠原線維の炎症ですが、その結果、関節や筋肉に痛みやこわばりなど、様々な症状を示すようになります。膠原病は、自分の身体の組織を外部から侵入した異物と勘違いして、攻撃することによって起こります。関節リウマチなどは膠原病の例になります。

  膠原病は(全身性)自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)ですが、自己免疫疾患は、免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織を外敵と誤解?して攻撃するために起こる疾患の総称です。
  また、異物を攻撃する能力が落ちているわけですから、ガン細胞も増殖しやすくなります。

   風邪、化膿、外耳炎、歯周炎、舌炎、膀胱炎、逆流性食道炎、胆管(胆のう)炎、
   肺炎、前立腺炎、慢性甲状腺炎、慢性腎炎、大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、
   湿疹、皮膚炎、髄膜炎、アトピー性皮膚炎、リウマチなど
   ガン

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