トルーレイキ法

 

血液循環 - 血液は生命の源

血液は生命の源

 健康維持には、体内の液体(血液、リンパ液)の流れが滞(とどこお)らないことが必要不可欠です。まず、血液についての基本的な事柄を確認しておきます。

血液の構成と役割

血液の役割

 血液は、体内を循環して細胞の働きを支えています。
 1.血液は、酸素や栄養分を細胞に運ぶと共に、二酸化炭素などの不要物を細胞から運び出します。
 2.体内に侵入した細菌などの異物を撲滅します。
 3.体温をある範囲内に保つように血流を調整します。

 従いまして、もし、血液の流れに乱れが生じますと、その部分の細胞の活動に支障をきたすようになります。身体には、そのような変調を自ら解消する能力が備わっていますが、その状態が変わらない程、不自然な状態下にありますと、時間の経過と共に、不調部分が拡がり、体の異常として感じられるようになります。

 例えば、冷えが続きますと、血液の流れが悪くなり、内臓の疾患に至ります。
 ガンも同様です。通常、できたガン細胞もしくは微少ガンは、すぐに撲滅されるか、増殖が抑制されますが、血流の悪いところでは、ガン細胞は増殖し続けます。

血液の構成 割合(%) 役割
赤血球  43 酸素の運搬
白血球   1.5 体内に侵入した細菌などの撲滅
血小板   0.5 止血(血液凝固
血漿  55 二酸化炭素などの廃物や栄養分の運搬

 形式的に上表のように、役割を分けましたが、血液が、動脈から毛細血管に入ると、赤血球から血漿に酸素が放出され、血漿が毛細血管からしみだして細胞間液となって、細胞に酸素と栄養分を渡します。そして、細胞から二酸化炭素など不要な成分を受け取り、毛細管に戻り(血漿になります)、静脈に流れ込みます。

 なお、動脈は、血液を心臓から末梢に送る血管で、静脈は、血液を心臓に送り返す血管です。また、毛細血管は、網目状の極めて細い血管で、その中の血液は組織細胞と物質交換を行います。静脈中の血液は筋肉の動き(ポンプ作用)によって流れますので、筋肉が衰えると、血液の流れが悪くなります。特に、下半身の衰えは、心臓に戻る血流の大きな阻害要因になり、冷えの原因にもなります。

白血球

 白血球は、体内の細菌や異物を見つけると、(集まってきて)自分の中に取り込んで分解します。 白血球は、リンパ球、単球、顆粒球の3つに大別できます。

リンパ球  白血球の約36.5%を占め、免疫作用の主役を担う細胞です。
 単 球  大きなアメーバー状細胞(マクロファージ)で、貪食作用(侵入異物を食べる)があります。
顆 粒 球  細胞内に、沢山顆粒をもつ。細菌感染や寄生虫などから体を守る働きをしています。
安静時の血液循環速度

 血液は体重の約1/13(体液は約60%)ですので、体重60kgの人の場合、約36kgが体液、約4.5kgが血液になります。(成人の血液量は、4〜5リットル)
 安静時に、心臓は一分間に60〜80回拍動し、一回の拍動で60ミリリットル前後の血液を送り出します。従って、心臓が1分間に送り出す血液の量は、4〜5リットルになります。言い換えますと、血液が身体を一回循環する時間は、約1分と言うことになります。

  血液が全身を循環する速度: 50〜60 秒/回
  2割は肺循環にかかる時間、残る8割が体循環にかかる時間
  (10秒〜12秒)                 (40秒〜48秒)
  ただし、肺循環(小循環)は、心臓からでた血液が肺を通って心臓に戻る経路で、
      体循環(大循環)は、心臓からでた血液が全身を巡り心臓に戻ってくる経路です。

大動脈中の血流速度: 約 50cm /秒
大静脈中の血流速度: 約 15cm /秒
毛細血管中の血流速度: 約0.05cm /秒

  上の数値は、正確なものではなく、およその目安とお考え下さい。(人によって違いますし、精神状態・活動状態によって大きく異なります。)

体循環の圧力

  正常な最大血圧120 mmHg は、1.6 mの水圧と同じです。(120mmに水銀Hgの比重約13.6をかければよい。)従いまして、最大血圧120 mmHgの場合、心臓から上1.6m近くまで血液を循環させることができるはずです。*1) 背の高い人と低い人では、正常な最大血圧に差があっても良いはずですが、数十cm程度の身長の差であればあまり影響がないでしょう。ただ、身長が2.5m位もあれば、正常な最大血圧が高くならざるを得ず、心臓の負担も大きくなりますので、あまり長生きできないように思います。基本的に、2m以上の人は、心臓の負担が大きくなります。

  ところで、(最大)血圧が高いと言うことは、血液が流れにくい、つまり血管(毛細血管)が細くなっていることを意味します。

  一般に、表層血管は、暑いと拡がる傾向があり、脳貧血が起き易くなります。
  また、寒いと収縮する傾向がありますので、脳梗塞などが起き易くなります。
  非常に興奮した場合も、筋肉が収縮するために、血管が狭まり、脳梗塞などが起き易くなります。
  冷えると血管が収縮し、逆に、血管が収縮すると冷えを起こします。

正常血圧(一つの指標)
最高血圧:  120 mmHg
最低血圧:   70 mmHg

*1)心臓より上は動脈で上がりますから、キリンのように首が長くても血圧がそれほど上がるわけではありません。(但し、脳に行く動脈が細くなっていると血圧が高くなります。)
  血圧が問題になるのは、心臓より下の血流です。この場合、静脈中の血液が上に上がりますので、(筋肉と弁によるポンプ作用で血液が流れるとはいえ)動脈に比べて心臓の負担が大きくなります。
 
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