野口整体と場の医学

 

健康教室 少食は健康に良い

2018年10月31日

少食が健康に良い理由

  この項では、過食が体を悪くする理由を紹介することで、少食が体に良い理由を間接的に説明します。

 1.食べ過ぎは過剰栄養を招く。
  油溶性の毒素は肝臓で分解され、水溶性の毒素は腎臓から排泄されます。
  しかし、食べる量が多いと処理に時間がかかり、体内を巡ることになります。
  免疫細胞は、これらの毒素を攻撃するために労力を割かれるので、外敵に対する免疫力が低下します。
  また、毒素が体内を巡ると、組織細胞に悪影響を与えます。
  従って、食べ過ぎが続くと、慢性炎症など、臓器の機能低下を招きます。

 2.食べ過ぎは、肝臓を悪くする。
  食べ過ぎは、肝臓で分解する食物成分と毒の量を増やします。従って、肝臓の疲労、炎症を起こしやすく、食べ過ぎが長期的に続けば、肝機能の低下を招きます。
  肝臓ほどではありませんが、食べ過ぎが続くと、排毒機能を担っている腎臓も悪くなる傾向があります。

 3.アルコール、油、薬物(化学添加物)、糖の過剰摂取は肝臓を悪くする。
  油と薬物(化学添加物)は、肝臓で分解しにくい物質です。
  化学添加物は、自然に存在しない物質が殆どですから、肝臓に負担をかけます。
  薬などは、そもそも肝臓で分解されにくい構造持っていますので、少量でも肝臓に負担をかけます。
  (薬は、体内を半日や一日巡っている必要があるので、簡単に分解されると薬としての役割が果たせません。)
  アルコールは量の問題で、毎日多くのアルコールを飲むと肝臓が壊れます。
  糖の問題は微妙です。ほぼすべての専門家は糖を目の敵にしています。
  理由は、糖(砂糖)は、体内ですぐにブドウ糖と果糖に分解されるので、(増えたブドウ糖で)血糖値が急に上がるからです。
  ただ、急に血糖値が上がるといっても、量が少ないのですぐに下がるだろうと思います。
  それより、量的に糖質としての炭水化物の方が圧倒的に多いので、血糖値が上がったまま下がりにくくなります。
  血糖値は、高くなることが問題なのではなく、高い状態の続くことが問題なのです。

 [備考] 養生訓
  貝原益軒は、有名な「養生訓」で、
  「食は満腹の半分位で良く、お腹一杯食べてはいけない」、
  「酒はほろ酔い程度が良く、宴たけなわの半ばで止めるべし
と述べています。

健康維持には断食が効果的

  断食は、古代ギリシャや古代日本の頃から実践されてきた健康法です。
  その効果として、
   1.ダイエット
   2.ホルモンバランスの調整
   3.腸内菌のバランス調整
   4.毒素の排泄
   5.老化の抑制
  などが考えられます。
  とりわけ、(断食による)体内に蓄積された毒素の排泄と老化抑制の効果は、とても重要です。
  そして少食は、体内に毒素が貯まることと老化の促進を抑制します

老化を遅らせ長寿になる秘訣は、空腹状態を保つこと

  イスラエルのバール・イラン大学研究チームは、長寿遺伝子6を活性化することで、マウスが約15%長生きするという研究結果を電子版のネイチャー誌(2012年2月23日)に発表しています。
  彼らは、遺伝子組み換え技術で、この遺伝子の働きを高めたマウスを2系統作成し、寿命の変化を調べました。
  その結果、オスのマウスでは、平均寿命がそれぞれ14.8%と16.9%延びたと発表しています。

長寿遺伝子とは
  長寿遺伝子はサーチュイン遺伝子とも言いますが、ここでは個々の長寿遺伝子の説明は省きます。
  (一番重要と考えられていた長寿遺伝子1に関しては、発表論文に間違いがありましたので、詳細は省かせて頂きます。)

  長寿遺伝子は、活性酸素の抑制、ウイルスに対する免疫抗体の活性化、傷ついたDNAの修復、細胞の活性化など、老化を抑制する様々な機能をもつと考えられています。
  特に、長寿遺伝子は細胞内のミトコンドリアを増やし、ミトコンドリアを活性化させますが、ミトコンドリアの活性化が抗がん作用や細胞の活性化に有効だろうと考えられます。
  人間にも7つの長寿遺伝子がありますが、人間でこれらの遺伝子を活性化して老化が抑制できることを確かめた実験は、未だ報告されていません(検証には多くの年月が必要ですが、長寿遺伝子が発見されてから未だ20年しか経っていません)。

長寿遺伝子が活性化すると若返る理由
  長寿遺伝子が活性化されると、細胞内の老廃物を排除する機構が働いて、細胞が若々しくなります
  また、抗酸化機能、抗ウイルス機能、抗がん機能などが亢進されます
  要するに老化抑制機能が亢進します。

長寿遺伝子を活性化する方法
  長寿遺伝子を活性化(目覚めさせる)方法は空腹状態を維持することです。
  特に、飢餓状態になると、長寿遺伝子が活性化することが確認されています。
  食料が少なく新陳代謝に必要な栄養素が不足してくると、細胞レベルの損傷を防ぐために修復機能が活性化します。このような機構は、動物が持つ防衛機能の一つといって良いでしょう。
  このことは、断食が老化抑制に有効であることを示唆しています。

食料制限をすると動物は長生きする

  好きなだけ食べさせるより、食事量を抑えた方が長生きすることは、ハエやマウスなど、多数の動物実験で確かめられています。
  変わった例として、ハエをを広い場所で生活させるより狭い空間に閉じ込めた方が長生きするという実験結果もあります。
  理由として、空間が広いと飛び回る量が増え、活性酸素の発生量が増えるからだろうと考えられます。
  我々人間に当てはめると、熟年以降に激しい運動をしていると早死にすることを示唆しています。

米国ウィスコンシン大学の実験結果
  2009年の発表まで、この大学ではアカゲザル76頭を使って20年にわたってカロリー摂取制限の実験を行なってきました。この時点で、猿の年齢は、すべて27歳以上(老齢期)です。

実験結果
 食事を十分に与えられたサルのグループ(38頭)
  体毛が抜け、身体にシワが多い。既に14頭が死亡

 30%カロリー制限を受けてきたグループ(38頭)
  体毛はフサフサ、肌に張りとツヤがある(若々しい)。
  この期間に死亡したのは5頭のみ

  従って、この実験は、食事制限したアカゲザルの方が長寿であることを示唆しています。

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