レイキ療法

 

健康教室 ミトコンドリアと健康 2

2013年02月21日

ミトコンドリア活性は健康の尺度

  若さや老化の尺度を定義することは大変難しいことですが、その尺度の一つに(新陳)代謝があります。
  若い人ほど(新陳)代謝が速く、多くの細胞、タンパク質などが速いサイクルで再生されています。多くの生体組織、生体物質が再生されているわけです。言い換えますと、体内で沢山のエネルギーを産生していることになります。
  逆に、年を取ると代謝が遅くなり、組織の再生速度も遅くなります。また、疾患のあるところでは組織細胞の再生が正常に行われていないことになります。つまり、そのような細胞のエネルギー産生量が低下しています。代謝が低下すると、摂取した栄養素がエネルギーや組織成分として消費し切れませんから、体内に栄養素が脂肪としてたまることになります。これが中年太りです。ですから、年を取ると、食事量を減らす必要があるわけです。
  エネルギー産生量はミトコンドリアの活動量(活性)によって決まりますから、代謝速度はミトコンドリアの活動に依存することになります。
  つまり、老化・病気(あるいは若さ)は、ミトコンドリア活性に依存しているといえます。
  トルーレイキ療法はミトコンドリアを活性化して、細胞を元気にする効果があると考えられます。

ミトコンドリアは活性酸素の発生源

  ミトコンドリア内でATP(燃料)という化学物質が作られますが、このような化学反応系では分子(原子)間で電子の移動が起こります。電子が動き回ると言っても良いでしょう。そうすると、電子と酸素がくっついて、非常に過激な活性酸素が発生することがあります(酸素分子は、興奮するだけでも活性酸素になります)。*1)
  言い換えますと、ミトコンドリアは活性酸素の発生源になっています。活性酸素の問題点は、他の分子を攻撃して(酸化して)本来の役割を果たさないようにしてしまう点にあります。要するに、活性酸素は物質を錆(さ)びさせ、役に立たないようにします
  従って、活性酸素が発生すると、この活性酸素がミトコンドリア(のタンパク質、脂質、DNA)を攻撃して傷をつける可能性があります。ミトコンドリアのDNAに傷が付くと、設計図がおかしくなるので、正しい化学応が起こりにくくなり、活性酸素の発生量が増えます。
  そのため、細胞の機能が活性酸素の攻撃によって劣化する事態が起こりやすくなります。ミトコンドリアで発生する活性酸素が、がんやさまざまな疾病の原因になっていますが、同時に、老化とともにミトコンドリアが劣化し、活性酸素の発生を増やし、老化を速める側面もあります。ここに、(正常な)ミトコンドリアの重要性があります。
  老化を遅らせる一つの方法として、細胞内に存在するミトコンドリアを活性化して、ミトコンドリアの劣化を防ぐことが考えられます。
  活動が活発な器官組織を構成している細胞では、ミトコンドリアの数が多く、あるいはミトコンドリアが大きく(肝臓)、ミトコンドリアが活発に活動しています。*2)

アポトーシスによるウイルスの撃退

  ウイルスは自分で分裂増殖することができませんが、細胞の中に入って増殖します。従って、ウイルスが増殖した細胞は、ウイルスが外に広がらないように(生体を守るために)、ウイルスもろとも死滅します(アポトーシス)。この死滅した細胞は小さくバラバラになっていますので、白血球の一種であるマクロファージに食べられて完全に消滅します。
  従って、アポトーシスがうまく作動しなければ、ウイルスが増殖して炎症が広がります。風邪、インフルエンザ、ウイルス性肺炎、肝炎などを治すには、アポトーシスをうまく起こさせられるかどうかが鍵になります。

ミトコンドリアの異常が様々な病気を招く

  ミトコンドリアDNAは、(核のDNAに比べると)非常に傷つきやすく、異常を生じやすい傾向があります。また、老化はミトコンドリア遺伝子の変異を蓄積しますので(まだ、仮説段階です)、生活習慣病を招きやすくなります。

ミトコンドリアDNAの異常によって起こる病気
  ミトコンドリアDNAに異常があるとアポトーシスが起こりにくくなるため、がんを発症しやすくなります。
  糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞(のうこうそく)、心筋梗塞(しんきんこうそく)などを発症しやすくなります。
  また、ミトコンドリアDNAが異常であれば、正常な生殖細胞がつくれませんから、不妊になります。
  このように、様々な病気の原因になりますが、基本的に、ミトコンドリアの(DNA)異常は老化を促進します


*1)活性酸素(種)
  活性酸素(種)は、大気に存在する酸素〔分子〕がより高い反応性を持つ酸素(興奮した酸素)や酸素化合物に変化したものをいいます。
  活性酸素(種)の問題点は、血管を傷つけ、老化やがん化を促進する点にあります。
  要するに、活性酸素は、脂質を酸化させたり、蛋白質やDNAに障害(酸化障害)を与えます。

*2)ミトコンドリアは、頻繁にくっついたり、離れたりしていますが、ミトコンドリアがくっつくのは、傷ついたミトコンドリアが、正常なミトコンドリアにくっついて傷を修復していると考えられています。

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