レイキ法雑感 - レイキ運動(自動運動) |
レイキ運動(自動運動)とは
レイキ運動(霊気運動)は、もともと、霊動、自動運動などと呼ばれ、昔からよく知られていた独特の動きです。この状態になった人は、狐憑き(きつねつき)、神懸かり(かみがかり)などと呼ばれ、不気味がられていました(古神道では神聖なものと考えられる場合もありました)。
西洋でも、憑依(もしくは憑霊)という形で知られています。これは、その人がトランス状態にあることを意味しますが、このような現象に直面しますと、人々は、宗教的もしくは迷信的な見方にとらわれがちですので、ある種の霊がその人の精神や行動を支配していると考えられてきました。
いずれにせよ、洋の東西を問わず(気功を含めて)、霊動(自動運動)は否定的に考えられています。しかし、霊術では、霊動(自動運動)を有効な動きと捉える考え方がありました。その考えを積極的に受け入れたのが野口春哉先生です。霊動の本質を見抜き、これを活元運動として、積極的に健康増進に役立てるようにしました。
臼井霊気療法学会では、発霊中に自動運動を起こす人がいましたので、この現象はよく知られていたのですが、先代の小山会長が、野口療法の活元運動に着目して、霊気運動を肯定的に受け入れたようです。
近年では、西野流呼吸法が、この自動運動・活元運動を巧く利用しています。西野氏ご本人が理解しておられるのかどうか知りませんが、指導員との気の交感で走り出したり、叫んだりするのは、まさしく自動運動・活元運動です。このとき、本人は、一時的に、トランス状態になっています。
自動運動は、原理的に誰でも起こすことができるはずですが、起こし易い人と起こし難い人がいます。ただ、自動運動は一度起こりますと、二度目からは起こり易くなる傾向があります。何度も経験しますと、自分で簡単に誘導できるようになります。
自動運動の誘導法
自動運動をする人は、手足を激しく動かしたときにけがをしないように、腕時計や危険なアクセサリーなどを外しておいてください。
1.まず、あくびが出るまで邪気吐きを行います(通常、3回〜5回位)。
2.そして、畳の上で仰向けに寝て、胸式呼吸(胸から上で呼吸)をしてください。
(丹田呼吸をすると自動運動は起こりません。意識を下に持って行かないようにしてください。)
3.誘導者は両親指を百会、中指・人差し指を額(第6チャクラ)、薬指・小指を耳の上付近に当てて、自動運動が起こるのを待ちます(数秒から1分程度)。
(自動運動が起これば、誘導者の方は即座に離れてください。)
自動運動の誘導は一人で行っても結構ですが、2,3人で誘導する方が起こり易くなります。
<注> 邪気吐き(本来、鳩尾を弛める、眠りを良くするために行う)
腰を伸ばしたまま、息を吐きながら指先の上に上半身(みぞおち)をのせていく(息を吐ききる)。
自動運動の止め方
自動運動は、基本的に、自然に止まるまで動かしておくのが理想です。
しかし、身体の一部に不具合があって、そこを弛めるためにいつまでも自動運動が続く可能性がありますので、そこがなかなか弛まない場合、途中で止める必要が出てきます。自動運動を止めるには意識を丹田に持ってくれば止まります。手が自由になる場合には、手を丹田に持ってきて、そこに意識をおいても結構です(通常、その前に止まるはずです)。
また、自動運動は、意識の一部が催眠状態(トランス状態)にありますので、誘導者が、「終了!」と叫んだり、耳元で「パーン」と手をたたいたりして覚醒を促すと自動運動は簡単に止まります。
自動運動の効果
自動運動(レイキ運動)は、(潜在意識が支配している)もう一人の自分が身体の不具合を治そうとして起こす動きです。*1) 従って、自動運動が起こると身体のコリがほぐれ、身体が弛みます。その結果、身体の一部で感じていた痛みが消えることも少なくありません。
要するに、自動運動は、血液循環を良くして、冷えを解消しようとする動きです。従って、緊張の強い人(交感神経優位の人)、疲労・コリ・しこりなどのある人にはきわめて有効な運動です。逆に、弛んでいる人(副交感神経優位の人)にはお勧めできません。そのような人が行うと弛みすぎてしまう(左の骨盤が開き過ぎてしまう)恐れがあります。
自動運動(レイキ運動)の原理
自動運動は、医学的には認められていない現象ですから、自動運動がなぜ起こるのかは誰もまだ解明していないだろうと思います。そこで、少し推論してみます。
身体を動かす筋は骨格筋(自分の意志で動かせる随意筋)ですが、その動きは、前頭葉(意識)の制御下にある体性神経に従って動きます。ただ、この動きは、多くの場合、小脳や脳幹(間脳、中脳、橋、延髄)などの統合的な作用の結果であって、いつも意識されるとは限りません。
もし、間脳に強い刺激(レイキ)が与えられ、(一時的に大脳の制御を離れて)視床下部(間脳) →・・・→ 延髄 → 脊髄・・・の流れが生じるとどうなるでしょうか。自律神経を支配している身体の不具合(こり)をほぐそうとする動きが生じるはずです。これが自動運動(活元運動)だろうと考えています。自動運動も間脳(視床下部)付近にレイキを集注することによって起こります。
けいれんは、見かけ上、自動運動と似ていますが、これは、筋収縮の釣り合いのコントロール異常で生じる現象ですので、健康改善には何の役にも立ちません。
*1) もう一人の自分(私)に慣れていない人が多いだろうと思いますので、この言葉には違和感を持つ人が少なくないと思います。そこで、以下のことをお考えください。
1.なぜ意識しないのに呼吸ができるのか。
2.意識しなくとも立っていられる(歩くことができる)のはなぜか。
3.子供が寝ているときに、ベッドから落ちてもけがをしないのはなぜか。
要するに、顕在意識が認識していない自分(私)、つまり、潜在意識(無意識)下の自分(私)が常に身体の管理(監視)・調整を行っています。ですから、身体の一部に不調・違和感がある場合、無意識にその部分に手を当てたり、撫でたりした経験がおありだろうと思います。
頭が痛い、眠い、だるい、お腹が空いた、のどが渇いた、自然が呼んでいる、これらも、もう一人の自分(私)が身体の不調を知らせたり、身体の要求を満たすために行う、自分(顕在意識の私、自我)への呼びかけです。