レイキ法雑感 - 腹式呼吸(1) |
腹式呼吸の効果は、精神と肉体の両面がありますが、ここでは肉体面の効果だけを説明します。精神面の効果は、健康教室で精神面の説明をした後に、腹式呼吸(2)として説明する予定ですのでかなり後になると思います。
腹式呼吸の仕方
姿勢
背筋を伸ばしてリラックスした状態、身体が緩んだ状態にしてください。背中を丸めて緩んだ状態にするのは好ましくありません。椅子に座る場合には、一番楽に座れる位置で良いのですが、欲を言えば、背もたれにもたれないように少し浅くかけて座ることをお勧めします。畳か座布団の上に座る場合は、正座をお勧めします。
正座は、自然に背筋が伸び、正しい姿勢になる座り方です。正座が苦しい人はあぐらでも結構です。但し、背筋は伸ばしてください。
仕方
平静な気持ちになって、意識をお腹の中心(丹田)に持ってきます。
静かにお腹を膨らませたり、へこませたり(横隔膜を上下)しながら呼吸します。
息は鼻から吸い、鼻から吐きます。(口から吸わないようにして下さい。)*1)
吐く息に意識を持っていくことにより、平静になれます(吐く息を長くします)。
通常、呼吸回数は、一分間に、男性13〜15回、女性16〜18回位ですが、慣れれば一分間に3〜8回程度になります(減らします)。また、意識して腹式呼吸をするのではなく、自然に腹式呼吸ができるようになって下さい。
腹式呼吸の肉体面での効果
横隔膜の動きは臓器にとって重要です。横隔膜の胸腔面上方に心臓と肺があり、腹腔面で肝臓、胃、脾臓(ひぞう)、腎臓および副腎が接しています。横隔膜を動かすと腹腔が変形して腹が前に出ますが、このとき、腹部の臓器が刺激を受けます。さらに、腹筋など多くの筋肉が刺激を受けて緩みます。その結果、血流が良くなり、血液の停滞している部分が改善されます。
適度な運動は身体を鍛えますが、同様に、腹式呼吸は内臓を鍛えます。特に、肝臓と腎臓は、血液の滞留時間が長く、結果的に、循環血液の40%以上がこの二つの臓器に集まっている計算になります。そのため、腹式呼吸による肝臓と腎臓への刺激は、血液の流れに良い効果を与えると考えられます。
腹式呼吸の注意点
腹式呼吸で注意すべきことは、鳩尾(みぞおち)に力が入らないようにすることです。
鳩尾に力が入ると鳩尾が硬くなり、様々な疾病を招く要因になります。
鳩尾に力が入らないようにするには、鳩尾に意識をもっていかないことです。
(丹田に意識を持っていけば問題ありません。)
活元運動(野口療法)の導入時に行われる邪気吐きも鳩尾を緩めるのに有効です。
力一杯吸わないことも重要です(肺活量の7,80%程度の量で呼吸することを勧めます)。
不自然な腹式呼吸は身体に良くないですから、無理な腹式呼吸は避けて下さい。
(胸が痛くなったり、様々な弊害が生じます)
その他
腹式呼吸は、通常、上半身に向いている意識を下半身(腹部)に導き、リラックスさせます。
腹式呼吸は意識(エネルギー)を丹田に集める効果があります。
古来、日本では丹田が重視され、腹式呼吸が強調されました。
服装も腹式呼吸に適した和服でしたが、現代は腹式呼吸をし難い服装が多くなっています。
(和服は腹式呼吸をし易いように腹の上で帯を結びますが、現代では腹の真ん中でバンドを締めるため腹式呼吸がし難くなっています。)
トルーレイキ(療)法
「レイキ(気)」の鍛錬を積んだ人は、お腹(丹田)で呼吸をします。
トルーレイキ(療)法も同じですが、慣れますと、同時に、かかとで呼吸をしている感覚も生じます。地面から(主に)かかとを通って、レイキが身体を上がってきて、頭頂から突き抜けていく感じがします。
トルーレイキ(療)法では、頭頂(百会)を通って下にレイキが通り抜ける感覚を卒業して、下から上にレイキが通り抜ける感覚が生じるようになって一人前と見なします。
かかと呼吸に関して、古(いにしえに)に荘子が言及しています。
荘子は、大宗師篇で「真人」について語っていますが、その中に、「・・・真人之息以踵、衆人之息以喉。・・・」というのがあります。
「真人は踵を以て息をし、衆人は喉を以て息をするなり。」
「しんじん(しんにん)はかかと(きびす)で呼吸し、しゅうじんは喉で呼吸をする。」
真人(しんじん)は、荘子が理想とした人間像(最高位の聖人)です(後に、仙人の意味でも使われました)。
当時、実際にかかとで呼吸をしている感覚をもっていたのか、それとも象徴として語ったのか不明ですが、落ち着いた人、知性ある人は下の方で息をしているはずですし、軽挙妄動する人は上の方で息をします。
実際、肩で息をしている人は落ち着かない印象を与えることはご理解いただけると思います。
*1)気の練習で口から吐くように指導しているところがありますが、これは、気功の影響です。腹式呼吸でも、口から吐く指導をしているところが少なくありません。気功を真似たレイキ法などの流派でも、口から吐くように指導しています。こちらは、腹式呼吸という発想が無く、腹式呼吸は有害であると信じ込んでいるようです。ただし、臼井霊気療法の基本は腹式呼吸です。この腹式呼吸も、既存のレイキ流派が臼井霊気療法を理解していない一例です。
臼井霊気療法に限らず、霊術の腹式呼吸は、鼻から吸って、鼻から吐きます。口から吐くことはありません(吐くべきではありません)。