病気にならない生活習慣とレイキ

 

病気にならない生活習慣

2013年1月19日
2015年10月19日微追加

生命活動の基本は食(と排泄)

  「健康教室」のはじめの方で述べましたが、生命活動は、外界から物質を取り入れ、それを生体の活動エネルギーと生体補修に使い、余ったものや老廃物を体外に排出することです。このサイクルは、単細胞から高等生物まで同じです。人間は、労働したり、スポーツをしたり、テレビを観たり、様々な活動をしていますが、それは大脳的活動であって、身体の一部の要求に基づく活動です。もっとマクロな、人体としての活動は、食べて、寝て、排泄するサイクルを繰り返すことです。
  従って、健康とは、食べて排泄する単純な生体活動サイクルがスムーズに行われている状態と言えます。
  「健康教室」では、健康を高等動物(人体)の視点で論じています。従いまして、健康とは、血液循環の流れが正常である状態と定義しているわけです。流れの一部に乱れ、停滞が生じますと、そこに冷えが生じ、病気の原因になります。しかし、血液循環の流れが正常である(高等動物)と言うことは、荒っぽく言えば、食べて出すサイクルが正常である(単細胞を含む生命体)ということです。結局、健康の鍵は食にあるということがご理解いただけると思います(もう一つの鍵は酸素の取り入れ方です)。

健康習慣1 少食であること

  健康に関する誤解で説明しましたように、食べ過ぎは健康の大敵です。成人は、食べる量を半分程度に減らすべきです。昔、腹八分目という言葉がありましたが、今はそれより遙かに栄養のあるものを沢山食べていますので、腹5,6分目で十分です。具体的に言いますと、成人は、1日1,400Kcal以下、70歳以上になれば、1,000Kcal以下で十分です。
  1日の食事の目安として、     1,200Kcal(30歳代から50歳代)〜800Kcal(70歳以下)
位が適切だろうと思います。
  肉体を使う仕事をしておられる方は、1,400Kcalから1,500Kcal位に増やされても結構です。いきなり食事量を半分に減らことすは無理があるだろうと思いますので、数ヶ月から1年位かけて徐々に減らしてください。
  少食を実現する一番の方法は、交感神経を活性化することです。何かに集中できる生活をすれば、自然に食事量を減らせます。食事がのどを通らなくなるような恋をしても結構です。このような恋ができれば、食事量を減らす方法としては理想的かもしれません。ただ、うまくいけば良いのですが、反動が恐ろしい気がします。これに対して、身体を動かさずにのんびりした生活をしていますと、お腹が減り、無性に食べたくなり、大食をしがちになります。
  栄養学などの専門家は、このような少食には、栄養失調になるとして猛反対するかもしれません。しかし、マスコミなどに顔を出す、中身のない専門家より、自分自身の身体を信頼すべきです。自分の身体が一番信頼できる専門家です。もし、食が足りなければ、ガリガリにやせ細るでしょうし、食が多過ぎれば太ります。自分の身体が正常な体型を保っていれば、適切な食事量ということになります。顔や肌の色つやでも分かります。
食べ過ぎとレイキ   身体は、不適切な状態を様々な形で知らせてくれますが、食べ過ぎを知る簡単な方法は、左手の親指と人差し指の根本の間にある肉(皮膚)を右手の親指と人差し指でつまんでみることです(右図参照)。
  右手の親指を手の甲側、人差し指を手のひら側においてつまんだとき、厚みがおよそ5mm以上あって堅い場合は食べ過ぎです。肉厚が1cm以上もあれば、いささか問題があります。胃は身体の左側にありますので、胃に負担のかかる食べ過ぎの兆候(ちょうこう)は身体の左側に出ます。
  ちなみに、右手の同じ部分が厚い場合には、アルコール、甘いもの、油もの、薬剤などの摂りすぎです。肝臓は身体の右側にありますので、栄養素を摂りすぎて肝臓が疲れている場合には、その兆候が身体の右側に出ます。
  身体は、常に、健康に関するシグナルを発していますが、日本人は、自分自身をあまり観なくなりました。精神的な余裕を失い、全体的に、我を忘れている傾向があります。今のように豊かな時代には、私達は、明治時代に比べてもっと精神的な余裕を持てるはずなのですが、これも副腎の機能低下が影響しているのかもしれません。

健康習慣2 朝食を抜くこと

  日本の朝食は、栄養バランスが整っていますので、世界で最も優れた朝食だろうと思います。私の若い頃に、三食の中で朝食が一番大事であると書いてある本に出会いましたし、同じような主張の文章に何度も出会いました。そのために、長年朝食が一番大事であるという考えが染みついていました。
  しかし、野口療法に関係する方には、朝食を抜かれる方が少なくありません。夕食だけの方もかなりおられます。野口先生の影響かどうかは知りませんが、朝食抜きの健康法を提唱している方々もいます。私もいつしか、朝食を抜くようになりました。それは、朝食が身体に有益ではないことに気が付いたからです。

朝食の利点
  朝食の必要性として、身体を温めることと排便の促進あるいは午前中の活動を活発にすることが考えられます。
  寝ている間は体温が下がっていますが、起きると交感神経が優位になりますから、体温が上がります。この体温を上げる燃料として、朝食が必要かもしれないと思いましたが、燃料となるには時間がかかります。従って、もし外部補給で体温を上げるのであれば、(即効性のある)温かいお茶や味噌汁で十分だろうと考えています。基本的に、体温の上昇は、寝ている間に蓄えたエネルギーを使っているはずですから、体温を上げることが朝食の役割とは思えません。午前中のエネルギー源という可能性もある程度同じです。
  朝食は、排便の促進にはそれなりの効果があると思いますが、朝食を食べなくても出るはずです。そもそも排便のために朝食を食べることは本末転倒です。結局のところ、朝食の必要性はあまり感じられません。
 朝食を食べなくとも、朝起きて直ぐに、水か温かいお茶・紅茶などを飲めば、排便は促進されますし、温かい飲み物は身体も温めてくれます。おろしショウガなどを混ぜて飲めば、より身体を温める効果があります。

朝食の欠点
  本来、臓器には休息が必要です。臓器は寝ている間に休んでいるはずですが、寝ている間にもある程度消化吸収などの活動を行っていますので、もっと休ませる必要があります。
  また、朝食は、3食の中で一番あわただしい食事になります。一般に、食事をすると消化器系に血液を集めるために、副交感神経優位の状態になります。ですから、夕食後はゆったりリラックスしますし、昼食後は昼休みがあります。昼休みは昼食のための時間ですが、同時に(十分ではありませんが)食後の休息時間でもあるのです。
  ところが(人によって異なるでしょうが)朝食の場合にはそのような優雅さはありません。時間に追われながら食事をして、学校や会社に行かなければなりません。ラッシュアワーの喧噪(けんそう)と奮闘(ふんとう)などでいきなり交感神経過緊張の状態に追いやられることもあります。
  従って、朝食は、消化器系に血液を集めるべきときに、交感神経優位の状態になって消化活動に十分エネルギーを与えられないために、消化器系の負担が増します。その結果、胃や肝臓を痛める可能性があります。若い間はまだ良いのですが、ある程度年をとってくると抵抗力が落ちますから、注意する必要があります。
  一般に、朝は食の進まない人が多いはずです。それが普通なのです。それなのに、無理矢理食べさせて、子供やご主人を学校や会社に送り出す鬼のような所業はお止めいただいた方がよろしいかと思います。
  一般に、食後すぐ激しい動きをしたり、興奮して激論するようなことは、絶対避けるべきです。そのようなことを繰り返していますと、暗い結果が待っています
  結局のところ、食事として理想的なのは、十分な休息のとれる夕食であり、次に、十分ではありませんが昼食、そして朝食は不適切ということになります。その意味では、夕食だけの1日一食が理想的な食事法といえるでしょう。そのような生活習慣は、食事に時間を割くのが面倒と思っている方には良いですが、そうでない人にとっては、人生の楽しみが減ります。価値感の違いによって選択が違ってくる事柄です。

健康習慣3 腹式呼吸をする

  生命活動の基本は物質の取り入れと排泄ですので、まず食が重要ですが、同時に酸素の取り入れ方もきわめて重要です。呼吸法こそ、健康と寿命を支配するきわめて重要な要因であるはずです。呼吸に関しましては、「レイキ法雑感」の「呼吸法」でその重要性を説明しています。また、腹式呼吸につきましては、「胸式呼吸と腹式呼吸」のところで説明しています。
  腹式呼吸の特徴の一つは、胸式呼吸に比べて肺の使用率が高く、呼吸効率が高いことです。胸式呼吸では、肺の下の方の細胞は使われませんので、年齢とともには肺活量が減っていきますが、腹式呼吸をしていますと肺活量の減少する割合が抑えられます。
  さらに、腹式呼吸を行いますと、横隔膜が上下しますので、内臓が圧縮されたりゆるんだりします。これによって、内臓の血流が良くなり内臓が活性化します。内臓の活性化は副交感神経の活性化を意味しますので、交感神経の過緊張を抑え精神的な落ち着きを維持し、健康にも有意義な効果があります。要するに、腹式呼吸は内臓を鍛える運動を内臓にさせ、心の平安を保つ働きがあります。また、腹式呼吸は背骨を動かす効果も胸式呼吸より大きく、背骨の弾力および腹筋などの維持に有効です。最後に、腹式呼吸は肺の利用効率が高くなりますので、腹式呼吸をすると、呼吸回数が減り、肺の寿命を長くする効果があるだろうと考えています、

健康習慣4 身体を冷やさない

  食事と酸素の取り入れ方が健康にとって最も大切ですが、この吸収・排泄のサイクルを円滑に行うには、身体の硬直を防ぐ必要があります。つまり、身体の各部を冷やさないことです。人体には、(局所的な)冷えを防ぐ恒常性(ホメオスタシス)があり、冷えがあれば、血流を増やすことによってそれを防ぎ、体温を維持しています。
  しかし、心臓から離れれば離れるほど、冷えに対する回復力は弱くなります。それが足です。
  また、冷えやすい部分として肩があります。肩はあまり脂肪もなく、通常、動かすこともありません。従って、油断すると冷やしてしまいます。手も末端で非常に冷えやすいのですが、良く動かしますし、冷えに気付きやすいところですから、冷えっぱなしになることはまずありません。他の箇所も、衣服に守られ、また良く動かしますので、冷えの心配はあまりないと考えて良いでしょう。頭も血流の活発なところですから冷えの心配はありません。
  結局、冷えの急所は、足と肩(周辺)になります。この2カ所は(油断すると)大変冷えやすく、また、(動かしても)冷えから回復しません。
  足が冷えますと、骨盤のゆがみ、従って、生殖器や内臓の疾患(しっかん)を招く恐れがあります。女性に多い子宮筋腫は、足の冷えが招く典型的な病気です。一般に、年をとると腰を動かさなくなりますので、腰が冷えやすくなり、骨盤のゆがみを招きます。
  また、肩を冷やしますと、主に心臓から頭にかけての疾患(しっかん)を招く恐れがあります。
  一般に、足の冷えは、足袋(たび)や靴下を何枚も重ね着することで防げます。
  また、すでに足が冷えている可能性のある人は、「足湯と脚湯」のページで説明しました足湯(そくとう)を行うことによって解消できます。簡単に言いますと、我慢できるぎりぎりの熱さの湯に足のくるぶしの上まで浸けます。きっちり6分間です。
  肩は余り動かさない方が多いと思いますが、肩を冷やす可能性が高いのは女性です。普通、男性は肩まで覆(おお)われた服装をしていますが、女性は肩を出した服装をしていることが少なくありません。冬場は少ないでしょうが、夏場は冷房下でも肩(から背中)を出している方がいます。これは、健康上、最悪の服装になります。本来、女性の長い髪は、首、肩および背中を冷えから守るためにあるのだろうと思いますが、髪の毛の効用が忘れられています(もちろん、髪は頭を保護する役目もあります)。
  なお、非常に冷たい食べ物や飲料の食べ過ぎ、飲み過ぎは、内臓、特に胃を冷やしますので避けた方が無難です。若い頃には、十分恒常性が働いていたとしても、年をとってきますと、回復する保証はありません。ダメージはゆっくり浸透していきます。

健康習慣5 熟睡する

  健康を維持する基本はストレスがあることです。つまり、交感神経が活性化していることが重要です。そうすれば熟睡できます。ただ、過剰な(酸化)ストレスは体に有害であり、病気の元になります。ストレスが有益であるか有害であるかの判断基準が熟睡です。熟睡できれば、有害なストレスはありません。眠りが悪ければ、後に説明する頭にある眠りの急所の調整をして下さい。
  健康を害する大きな要因は足の冷えと有害なストレスです。ほとんどの病気は有害なストレスが長期間続くことによって生じます。がんはその典型です。
  そのため、夜の眠りが悪くなり、体の修復再生が十分ではなくなります。しかし、夜に熟睡できれば、体に生じたストレスは解消します。

猫背 猫背

健康習慣6 猫背にならない

  猫背は不自然な姿勢で、非常に不健康な姿勢です。血液循環の視点で見ますと、冷えを招きやすい姿勢ですので、本来、健康法則4の範疇(はんちゅう)に入りますが、重要なことですので独立させました。
  背中が前に曲がっている場合、胸椎8番を中心して曲がっている方が少なくありません。この姿勢を続けていますと、胸椎8番が飛び出し、その前後の椎骨を含めて弾力がなくなります。こうなりますと、高血圧などになりがちですが、一般に、老化が早まると考えてください。
  さらに、この姿勢では、首が前に出ます。そうしますと、首の筋肉には頭の重さが必要以上にかかりますので、首の筋肉が緊張し続けることになります。その結果、首の筋肉内や併走して走っている血管が圧迫され、その血圧が高まります。このため、心臓や脳に障害を与える可能性が高くなります。
  首の左の筋肉が緊張し続けますと、頭に行く(動脈の)血流が悪くなりますので物覚えが悪くなり、心臓の負担が増えて、心筋梗塞(しんきんこうそく)などの心臓疾患が起こる危険性が大きくなります。
  首の右の筋肉が緊張し続けますと、頭から下りる(静脈の)血流が悪くなりますので、物忘れがひどくなり、やがて脳梗塞(のうこうそく)や脳出血などの脳疾患が起こる危険性が大きくなります。
  このような理由で、一般に、首が前に突き出た人は長生きできません。健康なお年寄りに首の突き出た人はおろか、姿勢の悪い方がほとんどいないことは、よくご存じのことと思います。不自然な身体のゆがみは、その箇所で緊張を生み、血液循環の停滞(冷え)を生じます
猫背の矯正 猫背の矯正   次に、背中(胸椎)だけでなく、腰まで丸くなっている人がいます(右図)。このような人は、毎日、自動車を長く運転する人や、室内で椅子に長く座っている人によく見かけます。要するに、座り方が悪いわけです。椅子に浅く座り、長時間、背中を背もたれにもたれているために、骨盤が後ろに傾いています
  この場合、内臓全般を圧迫しますので、年をとるにつれて様々な内臓疾患を招く可能性があります。
  休日の電車内で、このような座り方をしている若者が少なくありません。恐らく学校でもこのような座り方をしているのでしょう。社会と教育のゆがみがこのようなところにもあらわれているような気がします。

猫背の矯正
  猫背は、(無理に)姿勢を良くしようとしても、なかなかなおりません。猫背の人には、正しい姿勢が不自然な姿勢になってしまっていますから、意識して良い姿勢をとろうとしても、意識が離れれば、猫背に戻ってしまいます。矯正器具を装着して、良い姿勢を無理やり維持していても同じです。外せば元に戻ります。
  猫背を矯正するには、正しい姿勢が楽であるような立ち方、歩き方をすれば簡単に矯正できます。
  猫背の人は、前のめりになっていますから、つま先に力が入っています。従って、かかと側に重心を持ってくるように立ったり、歩いたりすればよいわけです。このようにすると、首が前に出ていても、自然に後ろに戻ります。
  腰まで丸くなった人(骨盤が後傾した人)は、後ろに反り返る動きをすることです(一般に、猫背の矯正に有効です)。
  また、胸を張ったままお尻を後ろに突き出す動作も効果的です。どちらも、毎日10回位おこなうことをお勧めします。やがて、自然な前傾骨盤に戻るはずです。

健康習慣7 刺激のある生活をする

  健康的な身体は、身体のあらゆる部分で血液循環が正常になっています。これは、自律神経が活性化されていることを意味します。基本的に、昼間、交感神経が活性化した状態にあり、夜間は、副交感が活性化しています
  ここで、問題は、巷(ちまた)に溢(あふ)れる健康本のおかげで、ストレスを避けて常に副交感神経優位の生活をしていれば病気にならないという考えが流布していることです。他のページでも説明してきましたが、自律神経が活性化していることが大事なのであって、副交感神経だけを活性化し続けることはできません。もしそのようなことをすれば、たとえ副交感神経優位であっても副交感神経も衰えてきます。
  交感神経が活性化される状態があるからこそ、副交感神経が活性化される状態があるわけです。腸管神経を無視しますと、自律神経は交感神経と副交感神経の総称になりますが、両者が活性化した状態で相互に切り替わることが重要です
  毎日、ストレスのない副交感神経優位の状態を続けていますと、夜に(副交感神経優位であっても)副交感神経が余り活性化されず、熟睡できなくなります。このような人は、アレルギーやアトピー性皮膚炎などに悩まされる可能性があります。また、お年寄りの場合、痴呆などになりやすく、別世界への旅立ちが早くなるだろうと思います。定年後、自宅にこもって何もしなくなった人に早死が多いのは、日常生活にストレスがなくなったからではないかと考えています。
  もちろん、過剰なストレスは健康の大敵です。昼間にストレスを受け(何かに集中し)、夜間には気持ちが切り替えて熟睡できることが大切です。そうすれば、昼間はストレスによって交感神経が活性化しますので、夜は、逆に副交感神経が活性化します。一方が不調であれば、他方も不調になり、一方が活性化すれば、切り替わったときに、他方も活性化します。

  以上、七つの習慣さえ守れば、基本的に健康は維持できるはずです。1から4の習慣は、先人達が実践してきた基本の健康習慣です。経験的に見いだされたことかもしれませんが、上に述べましたように非常に理にかなった習慣です。現代医学や栄養学の立場から見ると違和感があるかもしれませんが、今の医学は、生体の医学から距離を置いた側面があるように思います。イカの病気を治すために、乾燥したスルメを調べて判断しているようなところがあります。
  他にもすべきことは色々あるでしょうが、この七つが最も重要な健康習慣です。当然のことではありますが、がんの予防法でもあります。

その他の健康習慣

軽い運動をする
  人間の下半身は心臓からの距離が離れていますから、良く動かす必要があります。そうすることによって、下半身の血流を良くし、心臓の負担を減らし、また体温を上げます。
  一般に、脚・腰と肩・肩胛骨は良く動かしておくべき急所になります。特に、後ろに反らす動きは重要です。また、毎日和式トイレで用をたすことができれば、下半身の運動に効果的です。
  脚腰の運動という意味では、軽いジョギングなどをした方が健康に良いように思います(激しい運動は逆効果です)。緩やかな有酸素運動は細胞組織を活発にします。この酸素と細胞の活性化の問題はミトコンドリアの問題でもあるのですが、ミトコンドリアと健康の関係は、後に「健康講座」で説明する予定です。

寝過ぎない
  寝過ぎることの問題点は、がんの予防法2>で説明しましたので、ここでは繰り返しません。ただ、熟睡することが最も大事ですので、それには短時間睡眠の方が良いことをご理解ください。無理に短時間睡眠にする必要はありませんし、個人差もありますが、7時間以下、できれば6時間位で熟睡できれば良いだろうと思います。
  また、熟睡するには昼寝をしないことです。10分、20分程度の昼寝であれば問題はありませんが、1時間以上寝ますと、夜の眠りが浅くなります。その結果、昼間も眠くなり、再び昼寝をすることになります。毎日、うつらうつら寝ることになり、眠りが浅くなります。交感神経は活性化されませんし、副交感神経優位ではあっても副交感神経も不調です。老人の場合には、特に危険な状態です。異次元への入り口に向かおうとしていることをご認識ください。

偏食しない
  食事について考え出すと、これも果てがありませんので、ここでは偏食しないことだけを注意しておきます。また、冷えやすい人は身体を温める食物(根野菜や辛い食材)を多めにとることをお勧めします。

臓器には耐用限界がある?(仮説)

  「呼吸法」のところで、人間が一生の間に呼吸する回数は約6.5億回(女性で約7億回)、また、心臓の鼓動回数は約30億回であることを説明しました。人間だけ飛び抜けていて、他の動物は、呼吸回数が2億回強程度、鼓動回数が10億未満でほぼ同じ値になります。そして、人間も含めて動物の鼓動回数と呼吸回数の比はおよそ4倍強になり、一定の値になります。
    鼓動回数/呼吸回数 〜 4 (人間を含む動物に共通)
  少なくとも人間の心臓の鼓動回数には、上限(約30億回)があります。このことから、他の臓器にも耐用限界があると考えられないでしょうか。
  これは私の全くの仮説に過ぎませんが、肝臓や腎臓、副腎、膵臓(すいぞう)、脾臓(ひぞう)などの臓器は、使い過ぎると早く衰えると考えています。だからこそ、少なくとも朝食を抜いて休ませるべきなのです。栄養素を沢山摂るために大食すべきであるという考え方は臓器を酷使することになり、論外だというのが私の考え方です。実際、胸腺は、70歳を過ぎると完全になくなります(脂肪に変わります)。生殖器も早い段階でその機能を失います。これらの臓器は役目を終えたから滅びるのでしょうが、一生必要な臓器も、心臓同様、耐用限界があるだろうと考えています。

小太りは本当に長生きか?

  つい最近、再び「小太りは長生きする」という調査結果が報告されました。*1)肥満度指数BMIが25〜30の人は、標準体重(BMIが18〜25)の人に比べて脂肪リスクが6%低下するというものです。
  この報告は、BMIと死亡について報告した世界中の論文を抽出して解析した、およそ300万人に対する調査結果です。従って、この調査結果に異論はありませんが、小太りの方が長生きするという結論には異論があります。この調査対象の9割は欧米とオーストラリアです。残りの国を加えても同じことですが、基本的に、多量食文化に染まっている人たちが対象になっています。従って、本来、太っていて当たり前のはずの人たちが調査対象になっています。
  これに対して、新陳代謝の激しい若者を除外すれば、標準体重を維持するには、摂生するなどの自制心が必要です。しかし、このような人以外に、健康であれば太るはずなのに、胃などの内臓に障害があるために太らない人もいるはずです。このような人が、標準体重の死亡率を高めるのに貢献しているのではないかと考えています。
  要するに、健康な人と不健康な人に分ければ、不健康な人は、かなり肥満しているか痩(や)せている人が多いはずですが、飽食社会では太り気味が当たり前だろうと思いますので、本来太るはずなのに、胃などの内臓に障害があるために太れない人も少なくないはずです。
  従って、飽食社会では、不健康な人の割合が、小太りの人より、標準体重の人の方で大きくなるだろうというのが私の解釈です。大事な論点は、小太りの人より標準体重の人の方が病気になりやすいのではなく、標準体重の人には、(自覚していない)疾病があるために標準体重になっている人が少なくないのではないかと言うことです。
  健康な人であるならば、小太りより標準体重の人の方が病気になりにくいはずだろうと思います。

<注> BMI
  BMI(ボディ・マス・インデックス)は、1994年にWHOで定めた肥満判定の国際基準で、以下の式で定義されます。
    BMI = 体重(Kg)÷身長(m)の2乗
  [例]
    身長1.7m、体重65kgの人の場合、BMI = 65 ÷ 1.72 = 65÷2.89 = 22.5 となります。
  一応、国際基準では、BMIが
    18.5未満 を低体重
    18.5以上 25.0未満を標準、
    25.0以上 29.0未満を標準以上(日本では肥満)、
    30.0以上 を肥満(日本では高度肥満)
としています。
  なお、BMIの理想値は、男性:22.0、女性:が21.0です。個人的に余り信用していませんが、この値の人は、(統計的に)最も病気になる確率が小さいことになります。


*1)300万人が証明! 小太りは長生き―米当局の評価 肥満度25〜30で死亡リスク低下、http://kenko100.jp/news/13/01/09/01

トルーレイキ法
健康(回復)法