和式生活による健康法

 

和式生活による健康法

2011年10月21日
2011年10月23日追記

骨盤弾力の重要性

  健康教室で説明しましたように、健康であるということは、血液循環に滞りがない(冷えがない)あるいは身体に不健康な歪みがないということです。さらに、環境(季節)の変化に対応して身体が柔軟に変化(変形)できることです。要するに、身体に柔軟性のあることが重要になります。(身体が良く曲がるという意味ではありません。)そして、身体の歪み・柔軟性の要(かなめ)になるのが骨盤であり、この骨盤の弾力が健康の要(かなめ)であるといっても過言ではありません。

  骨盤に弾力があるということは、必要に応じて骨盤が開いたり閉じたりすることです。そのような身体は弾力があります。
  例えば、
    昼間は骨盤が閉まり、夜間は骨盤が開いています。
    冬場は骨盤が閉まり、夏場は骨盤が開いています。
    排卵時に骨盤は閉まり、生理開始時に骨盤は開きます。(女性の場合)
  過剰なストレス(冷え)がありますと、骨盤は閉まりにくくなりますので、夜間でも、骨盤は開きにくく(眠りにくく)なり、女性の場合、生理が近くなっても骨盤・後頭骨が開きにくいので、生理痛・生理不順・頭痛・イライラなどがおきます。
  日常的な動作でも、足を開けば骨盤が開き、足を閉じれば骨盤は閉まります。また、しゃがめば開き、立てば骨盤は閉じます。歩くことはもちろんですが、このような日常の動作も骨盤の弾力を維持するために重要です。

畳生活の重要性

  骨盤の弾力維持の視点から日常生活を振り返りますと、畳の素晴らしさを再確認させられます。畳の生活は、重心の低い、座り込む生活です。アグラをくめば、骨盤を開きますし、正座は姿勢を正してくれます。低い位置から立ち上がるには、下半身の筋力が必要ですし、骨盤の弾力も重要になります。言い換えますと、畳の生活は、下半身を鍛え、骨盤の弾力を保ちやすい環境を与えてくれます。畳を拭いたり、畳の上に転がっているものを拾ったりする動作が健康維持に役立ちます。
  これに対し、絨毯(カーペット)と椅子、ソファーの生活は、途中まで座り、そこから立ち上がる動作が主体ですので、非常に中途半端です。下半身を十分に使わない生活になります。一見、快適そうに見えますが、それに慣れますと畳の生活が面倒になってしまいます。言い換えますと、骨盤の弾力を含めた下半身が衰えることを意味します。

和式トイレの重要性

  そして洋式トイレの普及は、(車の普及の影響も大きいですが)下半身を衰えさせる生活様式への変化の決定打と言えるのではないでしょうか。和式トイレは、下半身を鍛え、骨盤の弾力を保つ優れた生活様式です。近年の大相撲における日本人力士のだらしなさは、(人材不足の側面もあるでしょうが)洋式トイレ普及の影響が大きいのではないかと考えています。
  小さいときから洋式トイレばかり使っていると、和式トイレでしゃがめなくなる恐れがあります。実際、欧米の年配の方で和式トイレにしゃがめない人がいます(へたり込んでしまいます)。しゃがむ動作は、特に女性に必要です。熟年以降の下半身の衰えは、下半身の筋肉が少ない女性に特に顕著になりますので、血液循環の停滞(冷え)の悪影響が出やすく、リウマチやがんなどの生活習慣症に罹りやすくなります。
  また、和式トイレは骨盤の弾力を保つ(開閉の動きをスムーズにする)効果がありますので、分娩時に楽でしょうし、健康維持にも有効だろうと思います。

背筋を伸ばすことの重要性

  戦前、日本人は小さいときから多くの家庭で背筋を伸ばす仕付けを受けて育ちました。日本人の姿勢が極端に悪くなったのは戦後です。胸を張れない時代背景もあったのでしょうが、世界の人々の中で日本人の姿勢の悪さ(猫背)は際だっています。外国に行っても、姿勢の悪さから日本人はすぐに分かります。

  猫背は、精神面においても、受け身、消極的になることが予想されますが、ここでは、肉体面の問題点を指摘しておきます。
  まず、首が前に突き出ることによって、首の筋が常に緊張しています。前屈みの姿勢は内臓を圧迫しますので、臓器に負担を与えます。さらに、この上半身の歪みは骨盤を歪め、その歪みが上半身に跳ね返ってきます(股関節・膝にも影響を与えます)。
  首の筋が過緊張になると、眼や耳だけでなく脳にも悪影響を及ぼします。日本人に近眼が多いのは、猫背が原因の一つではないかと考えています(頸椎2番付近の異常)。恐らく、老眼にもなり易いことが予想されます。年を取るに従って、脳、心臓などへの悪影響が大きくなりますし、腰・膝などへの負担も大きくなります。心筋梗塞や脳梗塞など(の突然死)は、長い間の姿勢の悪さが大きな原因になっていると考えています。逆に言えば、姿勢が良ければそのような病気に罹る危険性は大幅に少なくなることが予想されます。詳細は別項で説明いたしますが、猫背は年齢を重ねるにつれて健康に及ぼす悪影響が大きくなることを肝に銘じておいてください。元気な高齢者の方は、皆さん姿勢がよいことでもお分かり頂けると思います。

人間が一年中発情しているのは二足歩行のせい

  むかし、本などで「動物は春しか発情しないのに人間は一年中発情している。」などの文章を何度か目にしたことがあります。そのような文章の後に、「なげかわしい・・・」などのさげすみの感情が表現されていたように記憶しています。
  しかし、人間が他の動物と違って一年中発情するには訳があります。訳がなければなりません。単に暇だからとか変態的と言うわけでは決してないのです(と断言する勇気はありませんが)。四足動物は骨盤の負担が小さく、従って、骨盤自体も大きくはありません。ところが人間の場合には、上半身の体重・バランスが骨盤にかかってくるために、骨盤の負担は極めて大きく、また役割も四足動物とは比較にならないくらい大きくなっています。だからこそ、骨盤の弾力が重要になります。繰り返しますが、血液循環が順調に行われるためには、骨盤の弾力が不可欠です。
  そのためには、骨盤の弾力を保つ動き、緊張と弛緩の繰り返しが重要になってきます。そのような視点で発情行為を捉えますと、単なる生殖行為ではなく、良好な血液循環を維持する行為であることが分かります。行為のみならず、精神と肉体の両面における最良の弛緩をともなう行動であるからです。だからこそ、一年中発情するだけでなく、一回の発情行為も他の動物に比べて大変長くなるのだろうと考えられます。健康を保つ(良好な血液循環を維持する)最良の方法は、緊張(ストレス)の後に、心身両面が十分に弛緩することです。言い換えますと、強い緊張(ストレス)が持続せずに一旦消滅することが必要です。
  強いストレス(緊張)があっても弛緩によってそれが消滅すれば問題ありません。むしろ、ストレス(緊張)の無い生活の方が問題です。その場合、自律神経が衰えてきますので、交感神経も副交感神経も十分活性化しなくなります。年を取りますと、自律神経の衰えは避けることができませんが、緊張と弛緩を繰り返す生活を行っていれば、その衰えを大幅に抑えることができます。そして、最良の弛緩は熟睡することです。
  専門家を含め、多くの方に誤解されていますが、ストレスが健康に悪いのではなく、弛緩できない(熟睡できない)ことが問題なのです。

 
トルーレイキ法
健康(回復)法