野口整体と場の医学

 

健康教室 場の医学から見た病気

2018年10月8日

1.病気の原因は血流障害

  人体は約60兆個の細胞で構成されています。言い換えると、人体は細胞のゆりかごでもあるのです。
  人体の健康は、体を構成する各細胞が健康であることの反映であり、細胞の健康は、細胞活動に適切な環境が維持されること(細胞のゆりかごが快適であること)です。
  つまり、以下の機能が有効に作用している必要があります。

   1.最適な温度環境の維持(エネルギー供給)。
   2.酸素や栄養素など必要物質の適切な供給(物質供給)。
   3.老廃物の迅速な除去(掃除・物質交換)。
   4.必要な情報のやりとり(情報通信)。
   5.有害物質や病原体の排除(免疫機能)。

  これらの役割を担っているのは、細胞と接触している体液・リンパ液ですが、それを継続的に支えているのは血液です。
  言い換えますと、血液が滞ればその領域の細胞は生存を脅かされることになります。
  細胞周辺の体液に上記のエネルギー(温度)、物質、情報、警備員(免疫)を供給する通路の役割を果たしてるのが毛細血管です。

トルーレイキ法

  動脈は細動脈に分岐し、細動脈はさらにメタ細動脈に分岐します。このメタ細動脈から毛細血管に分かれるわけですが、交感神経が細動脈に多数分布していますので、交感神経の状態によってメタ細動脈が収縮します。
  また、毛細血管には、組織の活動状況に応じて血流が変わる真性毛細血管と、組織の活動と関係なく流れる優先(血行)路がありますが、毛細血管の大部分は真性毛細血管が占めます(右図参照)。
  メタ細動脈の周囲や真性毛細血管の入り口には括約筋があり、血流を調整しています。この括約筋は、O2、CO2の分圧や局所ホルモンなどの因子に大きく影響されます。例えば、組織細胞の活動が活発になり、代謝物であるCO2や乳酸菌が増えると、筋が緩み血流が増えます。
  このように、交感神経による血流量の分配は、細動脈の収縮と弛緩に大きく依存しています。
  従って、特定の交感神経過緊張状態が続くと、拡がった(メタ)細動脈や真性毛細血管と狭まった血管が固定され、狭まった血管領域で血流障害を生じます。

  血管収縮による血流障害が続きますと、細胞の壊死(えし)が増えて器官の正常な働きが損なわれるようになります。これが病気です。
  従って、病気は血流障害の結果ですから、体全体(心)の問題になります。

  場の医学では、血流(体液の流れ)を場(血液場)と考え、血流の乱れ(場の乱れ)を感知してその乱れを修復します。場の乱れが無くなることは病気が解消することなので、体が快復します。
  なお、神経内の信号の流れや血流(体液の流れ)はイオンの流れ(電流の流れ)を伴うので、電磁場が生じています。私達はこの電磁場の乱れを感知しています。要するに、場の医学は電磁場の医学です。
  従って、病気を患部の障害とする傾向の強い西洋医学(点の医学)と異なり、場の医学は体全体(心)を対象にします。

  臨床的ながんも血流障害が主原因です。
  がん細胞が発生する原因は様々ですが、毎日少なくとも数千個以上のがん細胞が発生していると考えられています。
  従って、体はすぐにがん細胞で溢れることになるはずですが、実際には、発生したがん細胞は、免疫細胞が撲滅します。しかし、もし免疫力の弱い領域でがん細胞が発生した場合、そのがん細胞は、殺されずに生き残り、増殖する危険性が高くなります
  この免疫力の弱い領域は、血流障害によって免疫細胞が充分集まれない部位です。
  血流障害が短期間で終われば、たとえがん細胞が増殖していても、十分な免疫細胞によって抹殺されるはずです。しかし、血流障害が何年も長期にわたって続けば、がん細胞は、(抹殺されることなく)増殖して、やがて臨床的ながん(1cm以上の大きさ)に成長します。
  従って、がんは長期的な血流障害の結果です。
  繰り返しますが、がん細胞の発生が遺伝子異常の結果であるとしても、臨床的ながんの原因は長期的な血流障害なのです

  このように、万病は長期的な血流障害の結果です。
  言い換えれば、健康を維持することは、体の各部で血液の流れが正常な状態を維持することです。

2.病気の原因は慢性炎症

  血流障害が続いて細胞の壊死が増えると壊死細胞の飛び散った破片を掃除するために炎症が起こります。
  また血流障害によりその領域で免疫力が低下すれば、病原体が繁殖する危険性があります。この場合も、病原体を抹殺するために炎症が起こります。
  血流障害が一時的であれば、炎症も一時的であり(急性炎症)、すぐに快復します。
  しかし、血流障害が続きますと、炎症も続きます(慢性炎症)。長期の炎症である慢性炎症が臓器の機能を損ない、やがて臓器不全にさせます。
  従って、万病の直接的な原因は、慢性炎症あるいはその結果です。

3.万病は慢性ストレスによって生じる

トルーレイキ法

  血液の流れを調整しているのは自律神経(主に交感神経)です。
  つまり、自律神経が体の働きを調整しており、その自律神経を制御しているのが視床下部になります。
  視床下部は、動物が持つ、もっとも古い脳である脳幹の一部で、脳幹の外側を取り巻いている大脳辺縁系と共に、原始的な感情を発生させて、自律神経に信号を送って体を調整しています(右図参照)

  例えば、怒りで相手を攻撃したい衝動に囚われたとき、視床下部は交感神経を過緊張状態にして、脳や心臓にたくさんの血液を送ります。そのため、内臓などに回される血液は少なくなります。
  従って、怒りに囚われていると、消化器系や肝臓などの血流が慢性的に不足することになり血流障害を生じます。

トルーレイキ法

  このように体内の機能調整に影響を与える感情を情動といいますが、強い情動が(その影響を受けやすい)器官の血流障害を招き、病気を招きます。
  昔から「病は気から」といいますが、心の状態が体の調整機能を乱すわけですから「心のしこりが体のしこりを招き、病気を招きます」。心と体は自律神経を通じてつながっているので、心の乱れは体の乱れを誘い、体の乱れは心の乱れを誘います。
  結局、慢性ストレスが病気を招きます

4.万病は副腎の機能低下によって生じる

  様々な環境変化(刺激)に対する体の適応がストレスですが、体の適応を促す臓器が副腎です。
  体の調整機能は、副腎が元気であれば、自律神経(交感神経)から多少無理な指令がきても必要なホルモンを適切に分泌して対応できます。
  逆に、副腎の機能が低下すると、必要なホルモンの分泌量が低下して炎症などが生じます。
  従って、副腎が正常に機能していれば健康は維持され、副腎の機能が低下すれば病気になる危険性が強くなります
  副腎の機能低下を招く主因が慢性ストレスです。その結果、血流障害が続き、慢性炎症が続きます。そして慢性炎症の延長が各種の病気になります。

トルーレイキ法
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