食事とレイキ

 

健康教室 食事と老化

2013年08月21日
2013年08月26日微追加
2016年10月07日微修正
レイキと老化

食事によるAGEsの貯蓄

  「AGEs(エイジス)と老化」で説明しましたように、老化の大きな要因はAGEsの蓄積であり、これがさまざまな疾病(とくに糖尿病)を招く原因にもなっています。
  ただ、現時点では、AGEsの蓄積過程が明確化されたわけではありませんし、すべての種類のAGEsが分かったわけでもありません。
  しかし、私たちが毎日とる食事の量と質が、AGEsの蓄積(老化や生活習慣症など)と深い関係があることは、動物実験などで確認されています。
  まず、血糖値を高める最大の要因は炭水化物(食物繊維を除く)であり、そしてAGEsの本体はタンパク質です。

  食べ物に含まれるAGEsの内、7%から10%のAGEsは体内に残り、蓄積されることが報告されています。
  たとえば、AGEsを多く含む飲み物をラットに与えると、ラットの肝臓にAGEsが蓄積していることが確かめられています。
  まだ、不確定要素が多いのですが、体内でできるAGEsより体外から取り込まれるAGEsの方がはるかに多いという説が(米国で)有力になっています。
  ただ、腎臓の機能が正常であれば、食べ物によるAGEsは排泄されるという説もあります。
  現状では、AGEsの体内吸収率=7%〜10%は、暫定的な値であるとお考えください。*1)

食べすぎはAGEsを溜め込みやすい

  本HPでは、少食が健康に良いことを強調してきましたが、AGEsの蓄積を考えても、大食が良くないことは明らかです。
   1.まず、食べる量が多ければ、それだけAGEsを体内に溜め込みます。
   2.次に、食べる量が多いと、血糖値が上がり、AGEsを生成する確率が高くなります。
   3.従って、食べる量が多いと老化が早まり、各種疾患を患う可能性が高くなります。
  ただ、少食の利点は、AGEsの蓄積を抑えることだけかもしれません(それだけでも、さまざまな病気になる可能性は下がります)。
  たとえば、動物実験で少食を与えて、同時にAGEsのたくさん入った飲み物を与えると、寿命は延びませんし、病気にもなります。
  一方、AGEsを少なくしたえさをたくさん与えた場合、少食の場合と同様、寿命延長効果があります。
  従って、AGEsの少ない食事であれば、大食しても健康に悪い影響を与えない可能性があります。
  あるいは、体内へのAGEs蓄積を抑制する物質(ある種の活性炭粉末など)を一緒に食べれば、大食は健康に害を与えない可能性ががあります。

食べ物に含まれるAGEs

  基本的に、高タンパク質の食品を高熱で加工したもの、たとえば、焼肉、焼き鳥、から揚げなどは、AGEsが多く含まれています。オコゲや焼きあとのある食べ物です。
  調理法としては、フライパンやオーブンで焼いた、あるいは油でいためた動物性食品には、たくさんのAGEsが含まれています。
  ゆでたり、煮たりする場合、(温度が100度より上がらないので)AGEsは少なめに抑えられます
  また、コカコーラのように、甘味料として果糖(フルクトース)を使用している飲料は、AGEsを多く発生させます。
  従って、果糖(フルクトース)を甘味料として使用している飲料やお菓子、ケーキ類は避けたほうが無難です。
  米国の甘みのある食品には、果糖(フルクトース)を使用したものが多いのでご注意ください。
  また、タバコはAGEsの宝庫ですので、喫煙者本人だけでなく、その煙を吸わされる人にも害が及びます。

体内に蓄積されたAGEsを減らす天然物質

ヨモギ、シャクヤク根エキス
  これらは、AGEsを分解します。
  ヨモギは、キク科の多年草で、葉を乾燥したものは、お灸につかうもぐさとして使われます。また止血作用があります。
  若い株を乾燥させて、煎じて飲むと、健胃、腹痛、下痢、貧血、冷え性などに効果があります。
  元々、ヨモギには、強い抗酸化作用、新陳代謝を良くしてダイエット効果、ホルモンバランスの調整、消炎効果のあることが知られていましたが、ポーラ化成工業が、ヨモギエキスには、AGEsを細かく切断して排泄し易くする強い効果のあることを発表しています。
  シャクヤクはボタン科の多年草で、シャクヤクの根は、消炎、鎮痛、抗菌・止血作用などのある生薬です。

ドクダミ茶、柿の葉茶、甜茶(テンチャ)、グアバ茶
  これらは、AGEsを強力に排出します。
  これらのお茶(抽出液)の効果は、いろいろなところで確かめられています。
  ただ、時間をかけて(1時間程度)抽出した液であることが鍵のようです。

カルノシン
  アミノ酸の1種であるカルノシンは体内で産生されますが、糖化を防ぐ効果があります。
  その機構は、カルノシンがタンパク質の糖がつく部位に結合して糖化を防ぎます。
  また、カルノシンには、抗酸化作用(酸化を防ぐ作用)もあります。
  もともと、カルノシンには、疲労回復、運動能力向上などの効果以外に、アンチエイジング効果や生活習慣病の予防効果がありましたが、これらは糖化を防ぐ効果に由来している可能性があります。
  同じアミノ酸であるアンセリンにも抗糖化(糖化を防ぐ)および抗酸化作用があります

ビタミンB6,B1
  糖尿病患者に、1日2回250mgのビタミンB6を投与すると、12週間後に、AGEsが1割程度減少することが報告されています。
  要するに、ビタミンB群には抗糖化作用があります(必要摂取量の100倍以上必要です)。

キチン・キトサン
  キチンは甲殻類(こうかくるい)の殻などに含まれる多糖類で、キチンを加工したものがキトサンになります。
  キチン・キトサンは自然治癒力を高める健康食品として知られていますが(ヒトでの実証はありません)、この キチン・キトサンなどの高分子によって、食品中のAGEsを吸着することが報告されています。

その他
   ルイボスティー    コラーゲンの糖化を抑制
   カモミール      AGEsの発生を抑制
   ある種の活性炭  AGEsを効果的に吸着して排出
  など、さまざまな抗糖化物質があります。
  このように、優れた天然物質は数多く見つかっていますが、現時点では、AGEsを抑制する効果的な医薬品はありません。
  また、各種の抗酸化物質は、糖化を抑制します。

AGEsを増やさない食べ方

  考え方の基本は、血糖値を上げないことです。
  そのためには、消化の悪い食品、あるいは食物繊維を多く含む食品を先に食べると、糖質の吸収が妨げられて、血糖値の上昇が抑えられます。
  具体的には、野菜、サラダ、海藻類、あるいはお肉などを先に食べる。
        [野菜 (⇒ 肉類) ⇒ ご飯・パン・うどんなど の順に食べる]
  面白いことに、古くからある懐石料理はこの順に食べます。
  早食いを避ける(良くかむ、あるいは、ゆっくり食べる)。懐石料理などもゆっくり食べるように工夫されています
  お酒を飲みながら食べる(後で説明します)。
  このようにすれば、血糖値の上昇が抑えられ、AGEsの発生を抑制できます。
  また、軽い運動も血糖値を下げますので、食後1時間位してから体を動かすのも血糖値を下げるのに有効です。

血糖値を上げる食べ物、下げる食べ物

  さて、体内で生じるAGEsを抑えるには、血糖値を上げないことが重要です。
  そこで、血糖値と食べ物の関係について少し説明しておきます。

血糖値を上げる食べ物は炭水化物を多く含むものです。
  ご飯、そば、うどん、パン、焼き芋、お好み焼き、たこ焼き、ケーキなどです。
  要するに、主食は血糖値をあげます。基本的に、血糖値は食後1時間位で高くなります。
  砂糖などの甘味料も炭水化物ですから、摂取すると血糖値がすぐに上ります(その代わり、すぐに下がります)。
  でんぷんなどの糖質と砂糖を同量摂取すれば、砂糖の半分は果糖になりますから、理論上、砂糖はでんぷんなどに比べて、5倍多くAGEsを発生させることになります。

<注> ストレスは血糖値を上る
  ストレスは血糖値を上るので、持続的に強いストレスを感じている人は、血糖値が上がったまま戻らないことになります。
  従って、AGEsを溜め込み、老化を促進します。

血糖値を上げない食べ物は、タンパク質主体のものです。
  肉類、ステーキ、鶏肉、から揚げなどは、血糖値を上げません。
  ただ、AGEsを多く含みます(とくに高熱処理の場合)。

血糖値を下げるアルコール
  アルコールを含む飲料を飲むと、肝臓でブドウ糖を放出する量が抑制され、血糖値が下がります。
  従って、食事とともに、日本酒、ワインなどを飲むと、血糖値の上昇を抑えます。
  ただし、お酒の飲みすぎは、肝臓に負担をかけ、またカロリー過剰になりますので、控えめにしてください。
  また、アルコールは代謝されてアルデヒドになりますので、糖化を促進する可能性があります。生じたアルデヒドは速やかに分解される必要がありますので、(飲みすぎて)酩酊状態や悪酔いにならないようにご注意ください。
  「酒は百薬の長」(適度のお酒はどんな良薬よりも効果がある)という言葉がありますが、お酒のご利益は、血糖値を下げる点にあるのかもしれません。

食品および調理法によるAGEs値の違い

  ご参考までに、食材と調理法によるAGEs値の違いの例を以下に示します。*2)
  AGEs値の単位(ku/100g)は、食材100グラム当たりキロユニットであることを示します。
  欧米風の食材、調理法は、たくさんのAGEsを発生させていることが良く分かります。
  これに対し、日本の料理の基本は、素材を生かすことですので、焼くことが少なく、また、煮る場合もたくさんの水を入れて煮ることが多く、温度があまり上がらず、AGEsの発生が抑えられています。
  肉も焼きすぎず、あるいは、さっと湯に通すか、赤みが消える程度に煮る食べ方が一般的です。
  また、タンパク質の豊富な納豆のように、発酵させるだけで、熱を加えないすばらしい食材もあります。

食品名 調理法 AGEs値(ku/100g)
牛肉 707
牛肉 ステーキ(超レア) 800
牛肉 シチュー 2,657
牛肉 (テーキ(フライパン) 10,058
牛肉 直火焼き 7,497
フランクフルト 直火焼き 11,270
フランクフルト ゆでる 7,484
ミートローフ 1,862
ミートボール 2,852
ハンバーガー 5,418
鶏肉 もも バーベキュー 8,802
鶏肉 水炊き 957
鶏肉 胸 焼く(フライパン) 4,938
鶏肉 唐揚げ 9,732
鶏肉 蒸し焼き 769
鶏肉 丸焼きバーベキュー(皮つき) 18,520
ベーコン 91,577
豚肉 スペアリブ 4,430
ソーセージ 1,861
ソーセージ 焼く(フライパン) 5,426
528
スモーク 572
焼く(フライパン) (オリーブオイル) 3,084
761
783
鱒 焼く  25分 2,138
エビ 冷凍を電子レンジで調理 4,399
エビ フライ 4,328
チーズ プロセス 4,470
バター スイートクリーム 23,340*3)
マヨネーズ 9,400
豆腐 488
豆腐 ソテー(軽く炒める) 3,569
豆腐 ゆでる(湯豆腐) 628
目玉焼き 2,749
スクランブルエッグ1分 173
オムレツ低温12分 223
パンケーキ トースト 2,263
ベーグル トースト 167
フレンチ トースト 850
ビッグマック マクドナルド 7,801
ポテトフライ マクドナルド 1,522
ビスケット 1,470
ドーナツ 1,407
クッキー バニラアーモンド 1,522
クッキー チョコチップ 1,683
9
パスタ 12分ゆでる 242
きゅうり 31
玉ねぎ 36
トマト 23
野菜 グリル(鍋焼き:人参など) 226
バナナ 9
りんご 13
りんご 焼き 45
干しぶどう 120
牛乳          4%脂肪 5
ヨーグルト      (プレーン) 3
りんごジュース  (100%) 2
オレンジジュース (100%) 6
はちみつ 7
アイスクリーム 34
ワイン 11.2
コーヒー  (ミルクとシュガー入り) 2.4
紅茶 2
醤油(しょうゆ) 60
ケチャップ 13.3

*1)筆者には、食事に含まれるAGEsが微量であるとしても、約10%も体内に吸収されることが、なかなか信じられませんでした(今でも半信半疑です)。
  通常、タンパク質は、胃で酵素ペプシンによって、ペプチド(ペプトン)に分解されます。
  そして、ペプチドは、小腸で酵素プロテアーゼによって、より小さなペプチドやアミノ酸に分解されます。
  少し荒っぽい説明ですが、通常、タンパク質はこのような形で分解され、小腸で吸収されます。
  AGEsが体内に入るには、まず、酵素による分解を免れ、しかも、小腸にある小さな穴を通り抜ける必要があります。
  これはかなり大きなバリアーですし、さらに血液中に入り込めば、免疫細胞の攻撃(拒絶反応)を受け、一排除されるのが自然な流れになります。
  外因性AGEsがはすべて肝臓に蓄積されるのであれば、多少は理解しやすくなるのですが、よく分かりません。
  外因性AGEsが、体内に入るときに、タンパク質部分が分解されて小さくなっているのであれば、納得できます。
  従って、AGEsには、まだ筆者に理解できていない部分が、多数あるように思います。
  そのため、書くのをためらっていましたが、老化をテーマにする以上、無視するわけにはいきませんでした。

*2)下記の本から引用しています。
  「老けたくなければファーストフードを食べるな」、山岸昌一 著、PHP選書、2012年6月1日、Page80-81
  元データは、Journal of the American Dietetic Association, June 2010 のようですが、原典は確認していません。

*3)バターのAGEs値が非常に大きくなっていますが、バターは製造過程で熱処理をするわけではありません。
  問題は、ここでの値はスイートクリームバター(無発酵バター)ということですが、それでも状況はあまり変わらないように思いますので、この値には疑問が残ります。

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