副腎とレイキ

 

副腎が人生に与える影響

2013年1月13日

副腎の機能が人生に与える影響

  ここまで、過保護の弊害骨盤の動きと出生率骨盤と国家の盛衰について説明してきましたが、これらの問題の根底にあるのが副腎*1)の働きです。
  胃や肝臓、腎臓などと異なり、耳慣れない副腎についてはほとんどの方は興味を持っておられないと思います。実際、大変小さな臓器であり、健康上、この臓器が問題になることも少ないので、社会的にも話題になることはまずないといって良いでしょう。
  しかし、過保護の弊害の処で説明しましたように、育つ環境、生活環境によって、副腎の大きさ、活動能力が大きく異なります。そして、ストレス(苦痛)に対する耐性が副腎の働きによるのであれば、人の能力(行動力)が副腎の機能にある程度依存することが予想されます。そして、副腎の機能が育った環境、生活環境に大きく依存するのであれば、副腎機能は人によって大きく異なることになります。
  従いまして、副腎の働きの違いによって、人の行動力が変わり、その人の人生に影響を与える可能性があります。具体的にいいますと、副腎が大きく、その機能の高い人は行動力があり、機能の低い人は行動力が低下し、またストレス(苦痛)に弱い傾向があると考えられます。
  このことは、骨盤の動きと出生率骨盤と国家の盛衰とも関係があります。副腎の機能が高い人は旺盛な活動力や行動力が期待できますが、このことは、その人の骨盤が締まっていることを意味します。要するに、骨盤が締まった人間が増え、社会が活性化し、出生率が上がるということは、副腎の機能の高い人が多くなることでもあるわけです。

副腎の重要性

  副腎は多類種のホルモンを分泌する内分泌器のひとつですが、その副腎皮質から分泌されるホルモンの一つであるコルチゾールには、日常生活で受けるストレス(苦痛)や免疫機能を調節する作用があります。
  逆に、過剰なストレス(苦痛)があると副腎の機能が低下しますので、様々な症状が現れます。
  一例を挙げますと、
   高血圧、慢性疲労、肥満、高血糖、不眠、リウマチ、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、アトピー、ぜんそく
などです。その他、原因不明の症状の多くが副腎の機能低下によることが予想されます。
  副腎は、高血圧やステロイドなどの問題で話題になりますが、実際には、健康を維持するためにきわめて重要な役割を果たしている臓器であり、とくにストレス(苦痛)と副腎機能には密接な関係があることをご承知ください。

快適な環境、穏やかな環境は人を虚弱にする

  私の若い頃には、明治生まれの方がかなりおられました。この年代の人々に共通していたのは意志の強さと精神的なたくましさでした。そして、眼光の鋭さも特徴的でした。そのような人々と比べて自分たちの世代が大変ひ弱に感じたことが強く印象に残っています。いや私たちより上の世代も同じでした、明治生まれの方たちに比べて、戦前、大正生まれの方々に対して、ひ弱さ、卑小さを強く感じざるを得ませんでした。
  時は流れ、私たちの世代は、若い人たちに、明治生まれの方が私たちに感じたであろう情けなさを感じるようになっています。これは、いつの時代でも繰り返されてきたことでしょうし、私たちが単に年をとったという証でもあります。社会が豊かになり、生活が安定してくれば、人々に起こる当然の変化であると考えていました。
  ただ、副腎機能に対する私の認識がその考えを改めさせ、危機感を持つようになりました。私の感じた疑問は、私たちは(赤ちゃんの頃から)子供をあまりにも快適過ぎる環境で育てているのではないか。このような育て方は、種の生存本能や種の保存本能を脅かす育て方ではないかということです。そのような理由で書いたのが、過保護の弊害骨盤の動きと出生率骨盤と国家の盛衰でした。
  その中で、根本的な問題である育児について書き忘れましたので、追加説明させていただきます。
  要するに、現代人がひ弱になったのは、社会環境が穏やかになったせいもあるでしょうが、幼少期に受けるべきストレス環境が穏やかになりすぎたせいで、副腎の発育が不十分になったためではないかと考えています。残念ながら明治時代の人の副腎と現代人の副腎とで大きさを比較することはできませんが、時代が下がるつれて(便利になるにつれて)、副腎は小さくなっている可能性があります。
  ちなみに、副腎の重さは5g〜8g程度で、左の副腎よりも右の副腎の方が少し大きくなっています。

赤ちゃんを快適な環境で育てるとストレス(苦痛)に大変弱くなる

  電化製品の発達していない時代には主婦の方は大変忙しく、子育てに十分な時間を割く余裕がなかっただろうと思います。また、夏は暑く、冬は寒い環境にありました。言い換えますと、赤ちゃんにとって、かなりストレス(苦痛)を感じる環境にあったはずです。それが副腎を大きく成長させ、副腎機能を高めたのではないかと考えられます。その結果、赤ちゃんはそのような環境でもあまりストレス(苦痛)(苦痛)を感じることなく育ったのでしょう。成長期の子供時代も同じです。さらに、兄弟姉妹がたくさんいればそのストレス(苦痛)も無視できません。
  ひるがえって、現代の赤ちゃんや子供の育つ環境を考えてください。多くの場合、実に恵まれています。しかし、そのような恵まれた環境は、本人の人生にとって本当に良いことなのでしょうか。人生80年として、その最初の8年間を恵まれた環境で育てることによって、残りの90%の人生を環境に十分適応できない不幸な人間にしてしまう可能性があります。極端な例として、ストレス(苦痛)に負けて若くして命を絶つこともあるかもしれませんし、ストレス(苦痛)に負けて他の人をいじめたり、犯罪を犯すこともありえます。
  赤ちゃんや子供を快適な環境で育てようとすることは親としては当然のことですし、自分たちが快適な環境にあるのに赤ちゃんや子供をそうでない環境におくことは難しいことです。そのようなことは、考えられないといっても良いかもしれません。赤ちゃんが夜泣きすれば、即座に対応することが当たり前のことになっていますし、子供に極力ストレス(苦痛)を与えないように育てることが親の責務であるかのように説く評論家もいます。
  実際問題として、意識的に赤ちゃんや子供にストレス(苦痛)を与えることは困難ですし、抵抗感があります。しかし、一点だけ考慮してください。赤ちゃんや子供を空調の整った部屋で育てることの問題点です。私は、子育てで、ここに一番問題があると考えています。つまり、部屋の温度と湿気の調節機能が完備した環境で子供を育てると、外界の変化に弱い(副腎の機能が弱い)人間が育つということです。
  一年には四季があります。赤ちゃんが四季を感じないように育てることは、大変不自然であり、異常ではないでしょうか。夏は暑く、場合によっては汗疹(あせも)が出たりすることもあるでしょう。冬は寒く、顔が冷えたりするはずです。子供は手にしもやけができることもあります。
  しかし、このようなストレス(苦痛)は、その地で暮らす人々にとって当然のストレス(苦痛)であり、赤ちゃんや子供にとって経験し、克服すべきストレス(苦痛)です。このように幼い間に自然なストレス(苦痛)を経験することによって、副腎が成長して、副腎機能が高まるはずです。つまり、心身ともに強靱(きょうじん)になることが期待できます。季節変化のストレス(苦痛)は、自然環境の変化によるストレス(苦痛)ですから、強すぎるストレス(苦痛)ではなく、副腎を育てるのに適したストレス(苦痛)のはずで、危険性はないと思います。
  幼い頃から身体を環境に合わせる能力を育てなければ、成長して異なる環境に直面したときにストレス(苦痛)に負けて順応できなくなる可能性が高まります。これが現代人のひ弱さ、忍耐力のなさ、切れやすさを生みだしているのだろうと考えています。

スポーツにおけるしごき

  私はしごきについてある種の偏見を持っています。高校野球などでのしごきは有名でしたし、大相撲のしごきに至っては論外という考えを持っています。ただ、大相撲のような理不尽なしごきがあるから土俵に上がる相撲取りは強いので、現代ではそのようなしごきができないから弱くなったという意見の人もいます。
  私のように理屈っぽい人間には、そのようなしごきに耐える自信は全くありませんので、しごきを容認する立場にはなり得ません。尤も、副腎機能を考えますと、しごきというストレス(苦痛)によって、(技術が向上するかどうかは別にして)我慢強くはなるだろうと思います。その結果、密度の濃い練習・訓練について行けるようになるのでしょう。このようにして得た忍耐力は本人にとって財産となるのかもしれません。
  ただ、無責任な言い方をさせていただければ、もう少し合理的・効率的な方法を考えてくれないものかという思いはあります。私のような人間は、良い指導者になる資質の有無は別として、どうしても合理的・効率的な訓練法を追求する性癖があります。そのため、私の場合には、理性以前の段階でしごきを拒絶する傾向がありますが、ある程度のしごきは、それなりの効果を上げられるのであれば意義があるのかもしれません。

お詫び

  本ページは、昨年の7月下旬に書き、その他のページも含め、8月上旬にアップする予定でした。ところが、その直前にハードディスが壊れ、セミナー用のテキストなど多くのものを失ってしまいました。このような事故は夏によく経験することでしたので、昨年は対策を立てておりバックアップも久しくしておりませんでした。
  自分の不注意が招いたことですが、ハードディスクがお亡くなりになることによってこんなに遅れることになるとは思いませんでした。謹んでお詫びいたします。


*1)副腎とは
 副腎は、左右の腎臓の上にかぶさるように位置する扁平な(内分泌)器官です。重さわずか6g前後の非常に小さな臓器ですが、各種のホルモンを分泌して、生体を外部環境の変化から守る役割を果たしています。左の副腎は左の腎臓と胃、右の副腎は右の腎臓と肝臓に接しています。その意味でも、副腎の機能は多くの臓器に大きな影響を与えることが予想されます。

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