身体の左右差2

 

体の左右差2

2012年2月22日
2012年3月28日追加
2012年6月12日微修正

人間は左脚で立っています

  前回、左脚は軸脚(右脚は利き脚)である理由を説明しましたが、言い換えますと、人間は両脚で立っていると言うよりも、左脚で立っています。この意味をもう少し掘り下げてみます。
  一般に、健康な人は左脚の方が右脚より1cm程度長くなっています。その主な理由は、右の骨盤があがっているからです。(実際に左脚の方が長い可能性もありますが、その差は僅かだろうと思います。*1)
  大変細かい話になって恐縮ですが、図1に示すように、脚の骨は左右の腸骨@と(股関節Aで)繋がり、左右の腸骨は中央の仙骨(青色の逆三角形で表示)と仙腸関節(赤い線で表示)で繋がっています。左の骨盤が閉じたり、前に傾いたりしますと、左の股関節が下がり左脚が長くなります。逆に、足の裏を基準(水平)にしますと、股関節の高さは左右同じくらいになりますが、仙腸関節は左の方が高くなり、従って、仙骨は右に傾くことになります。
  仙骨の上に背骨がのっていますので、仙骨が右に傾くと背骨も右に傾きます。そうしますとバランスが悪くなりますから、背骨は左に曲がります。従って、上半身の重心は左に来ることになり、結果として、左脚で支える体重の方が重くなります。これが、左脚が軸脚であることの意味です。また、体重が左の方に寄っていますから、両脚で体重を均等に支えているのではなく、左脚で体重を支える割合が大きくなっています。つまり、人間は左脚で立っていることになります。

心臓は体軸上にある

  このことは、極めて重要な意味があります。人体の各部にエネルギーと栄養を送る心臓は、身体の中心より少し左側にありますが、もし身体の重心が中心軸上にあれば、歩く(動く)度に身体はねじれますから、心臓は前後に揺れ動くことになります。そうすると心臓の活動エネルギーは(僅かですが)その動きに割かれます。またその動きによって心臓に遠心力が働きますので、同じ血圧を維持するために心臓の負担が増します。
  これらの影響は非常に小さなものでしょうが、何十年、一生という期間で見ると心臓に一定の影響を与えると考えるべきでしょう。従って、身体は、心臓が体軸上に来るように(自然に左腰を下げて右に傾き)身体上部を左に曲げるのではないかと考えています。(図2参照)
  また、上半身の左右への曲げは、左方向への曲がりの方が右方向よりも曲がり易いはずです。右に曲げにくい理由の一つとして肝臓があります。最大の臓器である肝臓は左右に広がっていますが、主要部分は右にあります。この臓器が右に曲げるときに邪魔になります。従って、上半身が右に曲がっている人は、肝臓が圧迫される形になりますので、肝臓の不調を招き易くなります。

上半身は左にねじれ易い

  上半身が左に曲がりますと、左半身にある臓器が圧迫されます。それを緩和するために、左腰(左の骨盤)が前に、左肩が後ろにでることによって、上半身は左にねじれます。つまり、下半身は右にねじれ、上半身は左にねじれます。この左へのねじれによって、左にある臓器空間の圧縮を防いでいるのだろうと考えています(図3参照)。上半身が右にねじれても同じです。必ず、どちらかにねじれています。

  一般に、人は右にねじるよりも左にねじる方がねじれ易く、ねじれる角度も左の方が大きい傾向があります。ただ、健康な体は右にねじれる方が自然です。また、特に右にねじれやすい体質の人がいます。左右にねじる動きは、内蔵を活性化するのに有益です。
  人は、左右への行動を起こすとき、無意識に左に回る、左にねじれようとする傾向がありますが、自然体では、左肩が前に、右肩が後ろに下がっている人が多いようです。
  「曲がりもゆがみもなく、左右対称の身体が理想的な身体である」という(医学や整体などを含めた)世間一般の常識は、健康な身体の摂理からはずれた非常識であることをご理解ください。

ねじれの確認方法
  椅子にすわるか正座をしてください。
  このとき、左右の膝を見比べて、左膝が前に出ていれば、上半身は左にねじれ、右膝が前に出ていれば、上半身は右にねじれている傾向が強いといえます。左膝が前に出ているということは、左の骨盤が前に出ていることを意味しますから、下半身は右にねじれ、従って、上半身は左にねじれている可能性を示唆しています。

靴は右の靴底の外側が減る

  繰り返しになりますが、健康な人は、左の骨盤が閉まって下がり、右の骨盤が開いて上がっている。これが二宮整体の独創的な見方・考え方です。そうすると、基本的に足も骨盤と連動していますから、歩くときには左の足先は前を向き、右の足先は少し外側を向いていることになります。従って、健康な人が歩いた足跡は、図4のようになるはずです。その結果、靴底がすり減る場合、右の靴は、後ろの外側がすり減り、左の靴は後ろ側(と前の親指側)が減っていくことが予想されます。これは、歩き方が悪いのでも姿勢が悪いのでもありません。逆に、よく食べる人、左の骨盤が開いている人は、左の靴底の後ろ外側がすり減っているはずです。

左右にある臓器も左右対称ではない

  肺は左右両方ありますが、右の肺の方が大きくなっています。これは、心臓が左にあるため、その影響で左の肺は小さいと考えられています(右肺は三葉に区切られていますが、左肺は二葉です)。つまり、肺は右が主で左が副になります。
  同様に、腎臓も左右にありますが、左の腎臓が主で右は副になります。このことは身体に現れる反応で分かります。(左の腎臓が主である理由は、肝臓が右にあるからだろうと考えています。そのため、右の腎臓は左より少し下側にあり、少し小さいように思います。)
  一般に、臓器の異常は、臓器のある側に印(反応)として現れてきます。例えば、胃は左にありますので左側、肝臓は右にあるので右側にでます。両側に臓器がある場合、異常のある臓器側に印(反応)がでますが、主の臓器側にもでます。腎臓は、肝臓同様、極めて重要な臓器ですが、非常にもろく弱い臓器です。しかも、現代(西洋)医学では機能を回復させることが難しい臓器でもあります。従いまして、腎臓の異常を知る簡単な方法を次に紹介します。


*1)腕も左腕の方が長い傾向がありますが、左右の差はせいぜい1mm〜2mm程度です。

トルーレイキ法
健康(回復)法