トルーレイキ法

 

(夏)風邪

2011年08月11日
2011年08月12日分割修正

  一般に風邪は身体に悪いものと考えられていますが、野口整体(療法)では身体の不具合を治す身体の防衛反応と考えています。身体に不要なもの(歪み)が溜まってきたときに行う身体の大掃除といって良いでしょう。

  身体が歪んでくると(左の骨盤が開いてくると)、風邪を引き易くなります。そして、風邪を引くことによって、身体の歪みが解消されます。このような見方では、風邪を引く身体は弱い身体であって、風邪を引かない強い身体が良いという考え方は不適切ということになります。

  確かに、風邪を引きやすい身体は良いとは言えません。また、心が弛んでいるという側面もあります。しかし、風邪をひけない身体は、身体の発する警告を感知できない鈍い身体であって、大変危険です。このような身体は風邪を引かない代わりに、これまで身体が発してきた危険信号を無視してきたツケとして大病を患う可能性が高くなります。

  風邪は風邪ウイルスによって引き起こされるという考え方に支配されていると、「身体は風邪を利用して大病になるのを防いでいる」という捉え方は、大変違和感があると思います。

  しかし、各種の風邪ウイルスや結核菌などは誰でも持っていますが、誰もが風邪や結核になるわけではありません。新種のインフルエンザが発生した場合でも同じです。人間にはそのようなものに対する抵抗力(免疫機能)があります。従って、怖いのはウイルスではなく、身体の歪み(血液循環の停滞)であり、その結果生じる、自然治癒力の低下であるわけです。そのようなときに風邪を引きます(形式的には、風邪はウイルスや細菌などの感染によって引き起こされますが、それは、風邪という現象を一つの学問分野から見た結果であり、一側面からの見方に過ぎません。)

  身体は、そのような不健康な状態を風邪で解消します。主に発熱効果ですが、これによって身体が緩み、身体の歪みが解消されます。咳も身体を緩ませる動作の一環ですが(個人的には、咳は余り効果的な方法であるとは思っていません)、ウィルスなどの有害物を体外に排出する効果があります。その結果、全快しますと風邪を引く前より、すっきりとした健康な状態になっているはずです。

  風邪薬を飲んで症状を抑えますと、身体の歪みはなかなか解消されず、中途半端な状態が続きます。せっかく身体を改善しようと風邪を引いているのに、その身体の努力を風邪薬で台無しにするのはもったいない気がします。もちろん、お年寄りの場合、風邪が命取りになる場合があります。風邪をこじらせると大変やっかいであることも事実です。

  風邪は、左の骨盤が開いているとき(身体の左半分の血液循環が悪いとき)に引きますが、こじらせますと右に来ます(右半分の血液循環も悪くなります)。そうすると肺(結核)などの内臓に影響が及びます。従って、風邪も危険な病気に転化する可能性があります。自然治癒力の衰えているお年寄りの場合、特に危険性が高いと言えるでしょう。しかし、そうであっても薬はお勧めできません。逆効果です。

風邪の対処法

  風邪を防ぐ、もしくは改善する一つの方法は、左の骨盤を閉めることです。そして、風邪の特効薬は薬ではなく、6分間の足湯(そくとう)です。風邪をこじらせた場合には脚湯(きゃくとう)をします。やり方は次のページで説明します。極めて有効な方法ですので、独立したページを設けることにしました。

夏風邪の特徴

  夏風邪は、冬風邪より多少やっかいな面があります。

  まず、症状として、風邪の症状以外に下痢や食欲不振(吐き気)の症状を示すことがあります。

  夏風邪の症状 = 咳・発熱・頭痛・鼻水 + 下痢(腹痛) + 食欲不振

  発熱、頭痛、吐き気、下痢などが主になります。

  さらに、職場などの環境として冷房による身体の冷えを防ぎにくいという現代特有の問題があります。ただ、夏風邪は身体が病気を治す3種の神器(3大機能)を備えています。つまり、

  発熱・下痢・食欲不振

です。この3種の神器は血液循環の停滞を解消する手段です(言い換えますと、冷えを解消する手段です)。

  一つの病気でこの3つの症状を示すことができるというのは本当に素晴らしいことです。風邪には、足湯(そくとう)という切り札があるわけですから、(無理に引く必要はありませんが)機会があれば、夏風邪を引くことも悪くはありません。

  私は、これまで夏風邪を引くことはまずなかったのですが、夏風邪にすっかり惚れ込んでしまいました。結構苦しいものがありますが、「発熱」・「下痢」・「食欲不振」の3点セットの魅力は捨てがたいものがあります。

  むかし、女性に対し、「バスト」・「ウェスト」・「ヒップ」などという実にくだらない、かつ無意味な3点セットの数値がもてはやされた時代がありました。(今でもそうなのかもしれません。この分野では、私は完全に時代に取り残されています)それにくらべれば、「発熱」・「下痢」・「食欲不振」の3点セットは、実際的にも、とても魅力ある現象です。

  ちなみに、発熱、頭痛(痛み)、腫れは、(身体の)回復過程で起こる現象です。身体が、もうすぐ治りますよという信号を発している訳です。治るために通過しなければならない道ですので、(よほど痛みや発熱が酷い場合を除き)鎮痛剤や解熱剤で身体の回復努力を妨げないようにして下さい。但し、例外的に敵が強力すぎる場合、戦いが長引くことがありますし、42℃の高熱が出て返り討ちに遭うこともあります。末期ガンの痛みも絶望的な戦いをしていることを意味します。それでも、エネルギーの続く限り身体は闘っています。このような例外はありますが、通常、身体が反応するということは治り始めているという意味になります。

<注> 風邪の治り際

  風邪で(高)熱を出しているときには身体を動かしていただいて差し支えありません。むしろ、筋肉を使えば発熱に寄与しますので、活動することは早く熱を出し切ることに寄与するのではないかと考えています。もちろん、それだけの体力を有することが前提です。

  高熱を出すということは、身体にとっては大変なエネルギーを消費していることになります。言い換えますと、身体が総動員令を発しているわけです。従って、熱が下がったときは、身体のエネルギーを使い切った状態(身体が疲れ果てた状態)といえるでしょう。このようなときには、体力が戻るまで休んでいる必要があります(身体の免疫機能・防衛軍が消耗し、疲れ果てているわけです)。

  そのことを理解せずに、熱が下がったから大丈夫と思って活発に活動しますと、身体の免疫機能(防衛軍)の戦闘能力が回復せず、ウイルスなどの侵略軍が息を吹き返すことになり、風邪をこじらせる原因になります。

  風邪は治りかけたときに注意(安静)が必要であることをご理解下さい。

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